AI は生産性を向上させるか?現状は投資嵩むもゼロリターン!大丈夫、蒸気機関も効果出るまで時間かかった!

本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 8 月 25 日に投稿された John Cassidy によるコラムで、タイトルは” The A.I.-Profits Drought and the Lessons of History “となっています。

 John Cassidy はスタッフライターです。主に経済関連のコラムを担当しています。タイトルを和訳すると「 AI が利益を生まない状況下で参考になる過去の教訓」くらいの意味でしょうか。スニペットは、”Like the steam engine, electricity, and computers, generative artificial intelligence could take longer than expected to transform the economy.”(蒸気機関、電気、コンピューターと同様に、生成型人工知能が経済を変革するには予想よりも時間がかかる可能性がある。)となっていました。

 このコラムは、AI に関してのものです。AI が話題で膨大な額の投資が行われています。アメリカで AI 関連株が暴騰しています。なのですが、現状では AI のおかげで生産性が劇的に向上したなんて話はほとんど聞きません(今までのところ)。株価というのは企業の将来価値を現在の価値に換算したものですが、本当にそんなに価値があるのか?現在の株式市場は過熱し過ぎではないかという懸念が湧いてきます。


 ここで歴史の教訓に学ばないといけません。蒸気機関、電気が発明されて生産性が飛躍的に向上した時のことを思う出せと言いたいというのが Cassidy 氏の主張です。氏の主張の引用になりますが、イギリスでは蒸気機関が発明された 30 年後にも紡績工場の主動力は水車のままだったのです。そりゃそうです。蒸気機関をフル活用したくても燃料となる石炭を運ぶインフラが整っていなかったわけで、それが整うまでは GDP に明確な影響を及ぼすようなことはなかったのです。電気もコンピュータもアメリカ経済の拡大に大きくする寄与するようになるには長い年月を要したのです。

 AI も世の中を変えるほどの影響を及ぼすのは時間がまだまだかかるのだと推測します。では、どれくらい時間がかかるのか。そりゃ誰にもわかりません。ただ、私には気になることがあります。コンピュータが普及し出した頃を思い出さなくてはいけません。1980 年代以降に汎用コンピュータが普及しだしてドットコムバブルが始まってから相当の年月が経ってから生産性の向上が確認できるようになったわけですが、普及ししだした頃の花形企業が生き残ったわけではないということです。実った稲穂を刈ってメジャーになったのは google 等の 2000 年頃以降に出来た企業なのです。Nvidia 等の現在のメジャーな企業が必ずしも 20 年後の勝者ではない可能性があります。

 では、話がそれましたが、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧下さい。