アメリカの謎! インフレ率が下がっているのに、アメリカだけ消費者のセンチメントが改善しないのは何故!? 

 本日翻訳して紹介するのは、1月22日に the New Yorker の Web 版に投稿のJohn Cassidyのコラムでタイトルは”Americans Are Finally Starting to Feel Better About the Economy”(景気に対するセンチメントが改善しない不思議)です。

 John Cassidy はスタッフライターです。政治、経済、文化等々の記事を高頻度で書いています。アメリカで(日本も欧州も同じですが)インフレ率が急激に下がったことを受けて記されたコラムでした。スニペットは、”Consumer sentiment, among Democrats and Republicans, has jumped sharply in the past two months. That’s encouraging news for Joe Biden.”(民主党支持者も共和党支持者も関係なく、消費者のセンチメントは過去2カ月で急上昇した。これはジョー・バイデンにとって心強いニュースである)となっていました。

目次 ▼

一口メモ

 アメリカでインフレ率が急激に下がっていています。これはバイデン政権にとっては良い知らせです。インフレ率低下は日本でも欧州でも同様です。しかし、アメリカでは他と異なり、不思議な現象が起きています。インフレ率が低下しているのに、各種調査で消費者のセンチメントが改善していない。欧州は既に改善しているそうです。インフレ低下しているのにセンチメントがネガティブであるのは矛盾しているわけですが、考えられる理由は下の 3 つである。

  1. メディアのインフレに関して否定的な報道をしまくったこと
    2022 年から2023 年にかけて、景気後退局面に陥る可能性があるとする報道が数え切れないほどあって、それが消費者のマインドに刷り込まれてしまった。
  2. 以前と違ってアメリカでは誰もが民主党支持か共和党支持かを意識することが多くなっいること
    そのため、世論調査の際に、実際の経験に基づいて答えるのではなく、政治的信条に基づいた回答をしてしまう傾向が見られる。
  3. そもそも矛盾していない
    矛盾(景気は問題ないのに、センチメントがネガティブなままであること)は発生していないと指摘するエコノミストもいる。実際、インフレ率は下がっているものの、卵や自動車などさまざまな商品の価格は、新型コロナパンデミック前よりはるかに高くなっている。住宅ローン金利も高止まりしている。

 上がアメリカのインフレ率が低下しているのに消費者のセンチメントが改善しない理由です。どうしてアメリカだけ、センチメントの改善が他国より遅いのか分かりません。が、インフレ率が再び上昇するようなことがなければ徐々に改善していくでしょう。そうしないと大統領選でバイデンの勝つ可能性が限りなく低くなってしまいます。ちなみに、Cassidy はトランプがあまり好きではありません。

 では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文(短いです)をご覧下さい。