スマホ動画や SNS 普及の影響!現代人の集中力は続かなくなっている?いや、それはない!

 本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に January 27, 2025, issue された  Daniel Immerwahr によるコラムで、タイトルは” What if the Attention Crisis Is All a Distraction? ”です。

 Daniel Immerwahr はスタッフライターではありませんがコラムをしばしば寄稿しています。著書も数冊あります。タイトルを翻訳すると、「注意力の危機がすべて気を散らすものだったらどうなるでしょうか?」くらいの意味でしょうか。スニペットは、” From the pianoforte to the smartphone, each wave of tech has sparked fears of brain rot. But the problem isn’t our ability to focus—it’s what we’re focussing on. “(ピアノからスマートフォンまで、テクノロジーの波が次々と起こるたびに、脳の衰えに対する恐怖が巻き起こってきた。しかし、問題は集中力ではなく、何に集中しているかということである)となっています。

 このコラムは、現代人の集中力の欠如、注意散漫に関するものでした。訳してみて分かった Immerwahr の主張は、スマホばっか見ている現代人の集中力は前の世代と比べて劣っているわけではなく、集中力の矛先が旧来とは変わっただけであるというものです。そりゃそうです。アメリカの労働生産性を見れば上がり続けているわけで、現代人の集中力が弱まっている兆候は見られません。大学の教授とかが学生が本を読まなくなったと嘆いているわけですが、それは本以外にも学びを得られるもの、集中できるものがたくさん増えただけなのです。

 現在人の集中力が弱くなっていないことを示す事例もいくつか挙げられていました。映画の長さが最近では長くなっています。たしかにそうです。今年のアカデミー賞を受賞したブルータリストも 3 時間半ほどでした(私感ですが、ハッキリ言って退屈な映画でした・・・)。去年見た映画でも、アバターのフランチャイズや RRR なども 3 時間半を超える大作でした。観て、とても疲れた記憶があります(私は途中で一時退席することはありませんでしたが、ほぼ半分くらいの観客が途中でお手洗いに行っていました)。私は中学生の時に、地元の小さな映画館で山口百恵 5 本立て(伊豆の踊子と潮騒と炎の舞は覚えているが、他の 2 つは思い出せない)とか、青い体験 3 部作を通しで 1 日で観たのですが、流石に今では無理ですね。還暦ですからね。自分の集中力がこれ以上劣化しないように祈るばかりです。

 さて、話がそれましたが、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。