本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 12 月 12 日掲載された John Cassidy のコラムで、タイトルは” The Dangerous Paradox of A.I. Abundance “(AIの過剰がもたらす危険なパラドックス)となっています。
Cassidy はスタッフライターです。アメリカ経済、政治をカバーしています。スニペットは” Silicon Valley envisions artificial intelligence ushering in an era of economic plenty. But what if the benefits are largely confined to corporations and investors that own the technology itself? “(シリコンバレーは、人工知能が経済的豊かさの時代をもたらすと予測している。しかし、その恩恵が主にテクノロジー自体を所有する企業や投資家に限定されていたらどうなるか?)となっています。
さて今回翻訳したコラムは、AI に関するものでした。AI 導入で加速する生産性向上と、富の集中による格差拡大の可能性を詳細に分析しています。また、分配、雇用、制度改革など AI 時代の核心問題を深掘りしています。
Cassidy が最も懸念しているのは、AI の普及によって生産性が上がるが、その恩恵はもっぱら投資家に還元され労働者にはほとんど還元されないことです。しかし、投資家だけ豊かになっても、それより膨大な数で存在している労働者が貧しくなればあらゆるマーケットが小さくなってしまいます。そうするとモノやサービスが売れなくなって投資家も利潤を上げられなくなってしまいます。それを解決する手段はユニバーサル・ベーシックインカム( universal basic income )の導入しかないような気がします。
さて、私の意見を述べてもしょうがないので、翻訳したコラムの要旨を次に記述します。その後に全文を読みたいという方用に和訳全文を掲載します。
要旨
【ポイント 1 】AI の恩恵はどこへ行くのか
AI を所有する企業・資本家に利益が集中
労働者の賃金は上がらず、むしろ雇用が減る可能性
消費者の購買力が落ちると、企業側も長期的には利益を享受できない
技術発展と所得分配のバランスが崩れると、経済全体が回らなくなる
【ポイント 2 】AI は仕事を「補完」するのか「代替」するのか
未来を左右するのは、AI が人間の仕事を補完するのか、それとも代替してしまうのかである
補完:労働者の生産性が上がり、賃金も上昇
代替:職が失われ、所得が減少し、格差が拡大
特にホワイトカラー職の一部は、AI によって大幅に置き換えられる可能性が指摘されている
【ポイント 3 】資本と労働のバランスが崩れる未来
一部の研究者は、AI が「労働の完全な代替物」になれば、資本を持つ人だけが富を無限に増やす可能性を示唆
これは、従来の経済学が前提としていた“労働と資本の調整メカニズム”が崩れてしまうことを意味します。
【提示されている解決策】
いくつかの学者は、次のような制度改革を提案しています。
AI 関連企業の株式を国が取得する“政府系ファンド”
そこで得た収益を国民に還元する仕組み
世界規模の累進課税による格差緩和
いずれも、AI 時代の「新しい分配モデル」を模索する試みです。
以上が要旨です。
以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。
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