本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の June 2, 2025, issue に掲載された Rivka Galchen に記事で、タイトルは” The Radical Development of an Entirely New Painkiller “(新しいタイプの鎮痛剤の誕生
)です。
さて、アメリカではオピオイド(大麻)依存症になって飲みすぎて亡くなる者が少なくありません。オピオイド自体は、痛みの激しいがん患者等に必須のものですが依存性が高いという難点があります。そんな状況を改善すべく依存性の低い鎮痛剤が開発されそうだということです。それだけだとつまらない記事なのですが、開発のプロセスが興味深く書かれていました。新薬というものは、ほとんどが偶然の産物らしいです。この薬も無痛症患者の研究が偶然にも新薬の開発につながっています。
この記事の要点は、おおよそ次のとおりです。
オピオイド危機 が背景となり開発された、新しい非オピオイド鎮痛剤スゼトリジン(商品名:ジュルナボクス)の誕生について解説している 。鎮痛剤開発のヒントは、痛みを感じない患者の遺伝子研究から得られ、痛みの信号伝達に関わる NaV1.7 や NaV1.8 ナトリウムチャネルを標的にすることが有効だと判明した (オピオイドは脳内の痛みの信号を受け取る受容体に作用するのとは対照的)。スゼトリジンは NaV1.8 を阻害し、急性疼痛治療においてオピオイドと同等の効果を示し 、依存性のリスクがない初の非オピオイド鎮痛剤として FDA に承認された 。これは、より安全な鎮痛薬開発の画期的な第一歩と見なされている 。
いやはや、医療に詳しくない私からすると画期的な気がします。これってノーベル賞級では?と思ったので、AI に聞いてみました。「痛みの信号伝達における NaV1.7 ナトリウムチャネルの決定的な役割を特定した研究者たち(ジェフ・ウッズ 、スティーブン・ワックスマン 、スレイマン・ディブ=ハッジ ) 」はノーベル賞をもらっても不思議ではないとのことでした。いや、AI が必ずしも正しい答えを返すわけではないですし、私のプロンプトが的確でない可能性だってありますので、この評価が正しいか否かはわかりませんので悪しからず。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。なお、スニペットは、” The opioid crisis has made it even more urgent to come up with novel approaches to treating suffering. Finally there’s something effective. “(オピオイド危機により、苦痛を治療するための新たなアプローチの開発が急がれる。ついに効果的なものが見つかった)となっていました。