8.それでも騙されたゲイカップルは必死に前を向いて生きている
私は今年の5月にアダムとカイルを訪問しました。彼らはキャンプ旅行に出発する準備をしているところでした。彼らの家のサンルームに私も入れてもらい、いろいろと話を聞きました。サンルームは子供が好む仕様に模様替えされていました。壁には落書きがありましたし、アルファベットを覚えるためのポスターなども貼られていました。リーと養子縁組に関してやり取りしていた期間は、アダムとカイルにとっては試練だったと言っていました。2人はよく衝突し、言い争いもしました。あらゆることで意見が一致しませんでした。アダムは、カイルがリーを盲目的に信じていることが理解できなくてフラストレーションが溜まることもありました。アダムからすると、リーの不可解な行動を見たら普通に怪しいと気付くはずだろうと思いました。とはいえ、結局のところ、アダムも一緒に騙されてしまったのです。2人はパートナー関係の解消も検討したことさえありました。カイルが私に言ったのですが、リーとのやり取りで騒動が巻き起こった影響で最悪だったのは、マクスウェルと過ごす時間が減ってしまったことでした。さまざまなことに時間を使わなければならなかったのです。インターネットでリーの不正を暴くために調査をしたり、リーに関する報道をチェックしたり、FBIの調査に協力したりでかなりの時間を使いました。
リーが起訴された後、アダムとカイルはさまざまなことを検討しました。子供は1人で良いのか?それとも、もう1人養子を迎え入れるべきか?とか、マクスウェルは兄弟が居た方が良いのか?居なくても問題ないのか?とかです。カイルが言っていましたが、彼らは養子をもう1人迎え入れるべきとの結論に至りました。それで、マクスウェルを迎え入れる時に少し指導を仰いだことのある養子縁組斡旋事業者に斡旋を依頼しました。カイルは言いました、「私たち2人は、リー以外のところで、きちんとした公正な事業者に養子縁組の斡旋をしてもらいたいのです。」と。それから、3週間後、カイルは斡旋を依頼した事業所の代表から電話を貰い、「コウノトリが赤ちゃんを落としていった。」と言われました。それは婉曲表現ですが、出産前に妊婦が養子に出す意志を表明していなかったが病院で出産後に養育を放棄したということを意味しています。
車で病院に向かう準備をしている時に、カイルは両親に電話して少しの間マクスウェルの面倒を見てもらうよう依頼しました。カイルは言いました、「急ぎで病院に行かなくてはならないんだ。娘ができたんだよ。」と。
以上