老人ホームでワクチン接種済み入所者の感染が続発!スタッフのワクチン忌避者が原因

 本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版にのみ掲載の記事です。アメリカの老人ホームではほぼ全ての入所者が新型コロナのワクチン接種を終えているのですが、接種後に新型コロナに感染する者が続発しています。原因はスタッフの接種が進んでいないことにあります。このことについての記事です。

 題名は、”How Vaccine Hesitancy Is Driving Breakthrough Infections in Nursing Home”(老人ホーム入所者がワクチンを接種しているのに陽性になるのは、ワクチン接種忌避者が減らないことが原因)です。スタッフライターのMasha Gessenによる記事です。彼がニュージャージー州で老人ホームの管理医師をしているジェイ・メエロウィッツに聞いた話を元にした老人ホームでの新型コロナ感染に関する記事です。
 メエロウィッツは、ワクチンを接種したら感染しないという誤った認識をしていました。いやいや、それ医師なのに知らんのかよと思います。そのメエロウィッツが、老人ホームの大学を出た看護職員でさえワクチンに対して誤った認識を持っていていることを嘆いています。いやいや、メエロウィッツには、その人たちを嘆く資格はないだろうと思います。私は、接種可能になったら接種しようと思います。思うに、ワクチン忌避する人を非難する人が沢山いますが、接種したくない人は絶対にいなくならないと思います。ワクチンの副反応の確率が非常に低いと言われ、0.001%と言われても忌避する人はいると思います。0.001%だったら、宝くじで1億円を当てるよりはるかに確率高いですからね。宝くじがバンバン売れているのですから、ワクチン忌避者がいたって何ら不思議なことではありません。何らかのアレルギーがあったり、特異体質と認識している人がワクチンを忌避する気持ちも理解できます。
 あと、breakthrough Infectionsという単語の意味が分かりませんでした。google翻訳では画期的な感染症、excite英語翻訳ではブレイクスルー感染と訳されました。今回の記事を読んでわかったのですが、ワクチンを接種したのに感染することを意味しているようです。また、perfect vaccinationという語も最初分からなかったのですが意味わかりました。2回接種が必要なワクチンを2回接種したという意味のようです。参考まで。

 詳細は和訳全文をお読みください。そんなに長い文ではないですが、要旨の後に和訳全文を掲載する形にします。要旨は次のとおりです。

要旨

  1. アメリカでは、新型コロナのワクチン接種が進んでいる。
    老人ホームのような老人の長期介護施設では1月から接種可能となり、4月時点ではほぼ全ての入所者が2回接種を完了している。
  2. 一方、そうした施設でもスタッフのワクチン接種率は低い。
    ニュージャージー州では老人ホームの入所者の接種率は90%超であるのに対して、スタッフの接種率は50%を割り込んでいる。
  3. スタッフのワクチン接種率が低いのは、ワクチン忌避者が多いから。
    ワクチンに関して誤った認識をしている者が多い。血液型O型は感染しにくいとか、新しいタイプのワクチン(mRNAワクチン、ベクターワクチン)は危険であるとか。大学を出て看護職についている者でさえ誤った認識を持っている者が多い。
  4. ワクチンを完全接種(2回接種)しても決して感染しないわけではない。
  5. 感染していないわけではないが、ワクチンの効果は証明されている。
    接種しても感染するが、感染したとしても無症状か軽症であることがほとんどである。
  6. ワクチン非接種者が多いと感染はなかなか減らない。
    非接種者が感染を広げる可能性がある。老人ホームは、まさしく感染が広がりやすい環境にある。食堂等で会食するし、設備が古く換気性が悪いことも多く、多くの非接種のスタッフと接するため。
  7. ワクチン接種後に感染している者は判明しているより多い可能性がある。
    ワクチン接種後感染した者で無症状の場合、老人ホームなどのように日常的に検査していない場合、認識されることがない。そうした潜在的な陽性者はかなり多いと推測される。

以上