ビハインド・ザ・カーブ(後手に回った)! パウエルFRB議長が経済をソフトランディングをさせることは可能?

 本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版に掲載のJohn Cassidyのコラムです。タイトルは、”Jerome Powell Races to Catch Up with Inflation”(ジェローム・パウエルはインフレ抑制に奮闘中)です。現地で6月15日に投稿されたものです。

 6月15日(水)にFRBのパウエル議長がFFレートを0.75引き上げると発表したことを受けてのコラムでした。前週金曜日(6月10日)に発表のあったCPI(消費者物価指数)が8.6%と高い数値でした。その数値を受けて、パウエル議長は、先月には6、7月にそれぞれ0.50引き上げると示唆していたのを覆すという強硬策に出ざるを得ませんでした。

 Cassidyは、パウエルには同情する余地があると言っています。たしかに必死に取り組んでいます。しかし、非常に環境が悪いのです。パウエル議長は、昨年の今頃、インフレは21年度末までに収束すると予測していました。しかし、3つの予期せぬ要因があり、インフレ率が急上昇してしまいました。オミクロン株の大流行、ロシアのウクライナ侵攻、上海等のロックダウンです。いずれもインフレ率を大きく上押しするものです。

 はたしてパウエル議長は、米国経済をソフトランディング(インフレ抑制と成長持続の両立)させることは可能でしょうか?まあ、不可能ではないでしょうが、かなり難易度は高くなってしまっているのではないでしょうか。市場では、23年から景気後退に陥るとの予測が大半のようです。

 では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をお読み下さい。