本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 3 月 29 日に投稿された Jay Caspian Kang のコラムでタイトルは、” Online Gambling Is Changing Sports for the Worse “(オンライン賭博はスポーツを悪い方向に変える)です。
スニペットは、” Betting should be legal, but pro leagues and major networks are undermining the value of sports in a bid to get in on the action.”(賭博は合法であるべきだが、プロリーグや大手テレビ局は賭博に参加しようとしてスポーツの価値を損なっている)となっていました。
さて、このコラムは大谷翔平の通訳だった水原氏が捜査対象となったことを受けて記されたものでした。アメリカでは 38 州でスポーツ賭博が合法化されています。そこに住んでいれば、オンラインで賭博することができますので、ラスベガス等のカジノに行かなくてもスポーツ賭博に興じることができます。オンライン賭博の特徴は何か?それは、いつでも、どこでも、手軽に賭博ができるということです。カジノの窓口係に向かっていろいろと注文するのと比べると、待たされないのがメリットです。
また、オンライン賭博は、賭博の種類が非常に広いことも特徴です。あらゆるスポーツが対象になっています。バスケットボールの試合であれば、カジノの窓口係で賭博する際には、勝敗くらいしか賭博の対象になっていませんが、オンライン賭博の場合は選手のスタッツを予想する賭博(プロップベット)ができます。ある選手のリバウンド数、シュートブロック数等々の数字だけでなく、ある選手の最初のフリースローが入るか外れるかといったことも賭博の対象になります。これはたくさんの種類があり、これらを組み合わせることも可能で、宝くじ並みの高配当の賭けをすることができます(その分、当たらない可能性が格段に高まるわけだが)。
アメリカではオンライン賭博の普及とスポーツ賭博の合法化で、賭博関連市場は急速に拡大しています。ギャンブル依存症やギャンブル中毒になる人が増えています。悲しいことですが、何でも中毒になる人がいて、それは自己責任というのが世の常のようです。そういう困難に陥る者が増えても賭博が禁止される可能性は少なそうです。アルコール中毒になる者が増えても禁酒法が制定されないのと同じです。一部に莫大な利益を手にする資本家がいれば、その資本家の影響力は凄まじく賭博やアルコールが禁止になるのを防ぐことができるというのが資本主義社会の実情です。
オンライン賭博の普及で賭博をする者が増えて関連市場が大きくなっても変わらないことがあります。それは、間違いなく胴元が勝つということです。私は、酒もたばこもギャンブルもしないのですが、ギャンブルをする方はそこのところを認識して、あまりのめり込まないようにして欲しいと思います。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。