本日翻訳し紹介するのは、December 23, 2024, issue の誌面に掲載された Anthony Lane のコラムで、タイトルは、” The Secret History of Risotto “(リゾットの秘密の歴史)となっています。
さて、今回訳したコラムは、リゾットのレシピについて書いたものでした。筆者の Anthony Lane はスタッフライターです。映画、書評など批評文が多いです。彼の批評文はいつも美しいです。今回のコラムのスニペットは、” The dish is governed by a set of laws that are rooted in tradition, rich in common sense, and aching to be broken or bent.”(この料理は、伝統に根ざし、常識に満ち、破られたり曲げられたりすることを切望する一連の法則によって支配されている)となっていました。
リゾットは米をオリーブオイルで炒めてから、ブイヨンとかストックとかスープを加えながら炊き上げるという単純なものです。筆者の Lane は考えます。リゾットは単純なものであるが故に、アレンジしたバージョンも多い。では、アレンジする前の単純な基本のレシピとはどんなものなのか?
ところがイタリアに行ってもリゾットの基本の作り方は存在していません。あるのは、地域ごとのレシピのみです。地域によって手に入る食材が違うので、その差異が生かされて、地域に固有のリゾットのレシピが無数に存在しているのです。基本のレシピが無いのに、亜流や傍流のレシピが無数にあるわけです。これでは収拾がつかないではないか?でも、美味しいレシピで美味しいリゾットが食べれれば良いわけで、時にそのことで誰かが困っているわけではありません。Lane もそのことを嘆いているわけではありません。リゾットを切り口に、母親を思い出してしのんでいるだけです。
さて、私の場合はイタリア料理でつくるものといえば、もっぱらペペロンチーノか、ニンニクとアンチョビと鷹の爪をいれたスパゲティです。たまにラビオリやカルボナーラも作ります。ごく稀にコストコで買ってきたマカロニチーズも作りますが、あれは混ぜるだけで作ったことにはなりませんし、そもそもアメリカ料理であってイタリア料理ではないような気がします。リゾットは絶対に作らないです。コシヒカリ等で作ると粘りが出てしまうからです。美味しいリゾットは海外に出た時に食べたいと思います。
話がそれましたが、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。