How Shinzo Abe’s Assassination Brought the Moonies Back Into the Limelight
安倍晋三暗殺事件によって統一教会に再び注目が集まった
A shocking act of political violence exposed the cult’s deep influence.
衝撃的な政治的暴力行為により、カルト教団の強い影響力が明白になった。
By E. Tammy Kim January 26, 2026
1.安倍首相暗殺事件が突きつけた問い
元首相の安倍晋三が奈良市の大和西大寺駅北口付近で選挙演説中に銃声が鳴り響いた。誰も何の音か分からなかった。というのは日本では民間人の銃の所持は違法とされており、銃による殺人事件は非常に稀だからである。あまり聴きなれない音だったため、聴衆の中でびくっとしたのはほんの数人だけだった。
安倍はマイクを手にしたまま、アスファルトに倒れた。首元から血が流れ出した。すぐ後ろに硝煙が立ちのぼった。煙の中に髪も髭もぼさぼさの男が立っていた。チノパンを穿いている。黒い眼鏡にマスクを着けている。2022 年 7 月だった。新型コロナ対策がまだ実施されていた。その男の手には大きな長方形の装置があった。2 本の金属パイプ、黒い絶縁テープを巻いた木の板、電線の束、プラスチックのハンドルで構成されていた。銃の体裁を成していたが手作り感満載であった。高校生が夏休みの自由研究で作ったような感じである。男は SP らにタックルされ取り押さえられた。その際に男は問うた。「当たったのか?」
300 マイル( 480 キロ)ほど東に位置する東京で、ジャーナリストの鈴木エイトはテレビのニュース速報を見て、最長の在任期間を誇る首相が亡くなったことを知った。鈴木は自宅にいた。妻と息子と 3 人でホテルでの休暇に出かけるところだった。銃の使用、警備体制の不備、この国で最も影響力のある人物の非現実的な死。すべてが衝撃的だった。
鈴木は、数十年にわたってカルトについて興味を示してくれるさまざまなメディアに寄稿してきた。日本ではカルトは「反社会的宗教集団( antisocial religions )」と呼ばれる。彼がカルトを追跡取材する理由は、深く個人的なものである。犯人はまだ特定されていなかったが、鈴木はカルトが暗殺事件に何らかの形で関わっているのではないかと考えていた。彼は、統一教会( the Unification Church )関連の報道で有名であった。統一教会は韓国の宗教団体で、1960 年代から日本に大きな影響力を持つようになり、安倍首相と自民党とも直接的なつながりを維持してきた。直近で安倍は、統一教会の指導者を追悼するビデオに出演していた。物議を醸すものだった。
容疑者が特定の団体に対して憎悪を抱いていることが明らかになった。鈴木はこれから何が起こるかを予測した。その時、彼は家族と共にホテルに滞在していた。インターネットで更なる情報を収集した。「その後すぐに携帯電話に電話がかかってきた」と彼は後に書いている。「知り合いの現地の警察担当記者からだった。『問題の団体は統一教会である』と聞かされた」。