スウェーデンのコロナ対応を検証!集団免役の早期獲得を目指し、ロックダウン行わず。あれから1年、死者数は?

 本日投稿する記事は、the New Yorker のweb版にのみ掲載の記事で、英題は”Sweden’s Pandemic Experiment”(スウェーデンの新型コロナ対策は上手くいった?)です。新型コロナに対する集団免役の早期獲得を目指したスウェーデンの対応策が実施されてから1年、結果を検証している記事です。

 Mallory Pickettによる寄稿記事です。New Yoker誌には初登場だと思います。スウェーデンの新型コロナ対応について記されています。スウェーデンは緩やかな対応策をとってロックダウン等の厳しい措置は実施しませんでしたし、マスク着用も奨励していませんでした。スウェーデンがそうした緩い対応をしたのは、集団免役の早期獲得を目指していたからだと私は思っていました。しかし、それは事実では無かったようです。あくまで科学的な根拠に基づいて効果のある対策のみを実施した結果、他国より緩やかな対応になっただけです。マスクの着用を推奨していなかったのも、効果が薄いと認識していたからです(実際、マスクの感染防止率は10~15%しかないとする研究結果が多いようです)。ロックダウンを実施しなかったのも効果が証明されていなかったからです。
 さて、スウェーデンのそうした緩い対応策の効果はどうだったのでしょうか?結論から言うと、現時点では良いとも悪いとも評価できないということです。新型コロナの感染は収束しないと評価できないのです。現時点の新型コロナ関連の死亡率から判断すると、スウェーデンの状況はヨーロッパ全体で見れば可もなく不可もないレベルです。イタリアや英国より死亡率は格段に低いのです。しかし、北欧諸国の中では最も悲惨な状況です。
 そもそも新型コロナ対策は、各国で様々な対策が一斉に行われましたから、どの対策がどのくらい効果があったかを知る術がない状況です。ですから、スウェーデンのとった対策が上手く機能したかどうかは分かりません。他国が行った対策の評価も同様に出来ない状況です。新型コロナに関してはまだまだ認識できていない要因、事象が沢山あります。どこかの国が感染封じ込みに成功したとしても、それが対策の効果によるものなのか、それとも私たちが認識していない要因によって偶然にも感染が広がらなかったのか、判別することは不可能です。

 詳細は和訳全文をお読みください。要旨を記した後に和訳全文を掲載する形にします。要旨は次のとおりです。 

要旨

  1. スウェーデンは新型コロナに関して緩やかな対応策を採用
    ロックダウンしない。マスク着用推奨しない。科学的に効果がある証明されている対策のみ実施。
  2. パンデミックが始まってから1年経過
    死亡率等で判断すると、北欧諸国では最も悲惨な状況に陥った。しかし、ヨーロッパ全体で見ると中くらい。
  3. スウェーデンの緩やかな対応策が上手くいったか否かを判定するのは現時点では不可能。
    パンデミックが収束しておらず、現時点では判定不可能。また、コロナに関しては分かっていないことが多く、評価は難しい。

 要旨、以上 
では、以下に和訳全文を掲載します。