10.コンスタントはオーガニック認証制度を悪用して偽オーガニック穀物を売りまくった
ジェリコ・ソリューションズ社のオーガニック農産物の扱い高は、一時期には全米第4位の規模を誇っていました。取引先から送金されたお金は、リンダ・ホルトハウスの自宅から20マイル離れた人口300人ほどの町であるアイオワ州ルアナにあるルアナ貯蓄銀行に預けられていました。その銀行は、畑に囲まれた町のはずれに建っていました。
例えば、2017年2月10日には、カリフォルニア州ソノラ銀行に口座を持つ取引先が、ルアナ貯蓄銀行のジェリコ・ソリューションズ社の口座に41万9,417ドル50セントを送金していました。ドゥエイン・ブッシュマンが私に教えてくれたのですが、コンスタントはソノラにあるオークデール・トレーディング社という取引先に定期的に穀物を売っていました。それは間違いのない事実で、ブッシュマン以外の信用の高いトレーダーも知っていると言っていました。ブッシュマンはオークデール・トレーディング社のオーナーのジム・パローラと知り合いでした。ブッシュマンは当時のことをおぼろげながら覚えていて、パローラはコンスタントとの取引のおかげで、週に鉄道貨車10両分の穀物を西海岸向けと東海岸向けに送るほど物量が増えたことを喜んでいたそうです。ブッシュマンは、パローラにコンスタントから穀物を購入する際に信用しているか聞いてみた時のことを思い出して言いました、「パローラは、『オーガニック認証証明書さえあれば問題ないんだよ。」と言っていましたね。」と。(この件に関してパローラに確認しようとしましたが、コメントは得られませんでした。)
アイオワ州のある大豆加工業者は、コンスタントがチリコシ―のウォルマートの駐車場で穀物を積んでいることがあると知った後でも、コンスタントから何百トンもの大豆の購入を続けていたと言っていました。(彼は、「どうしてあんな場所で積み込みしていたんでしょうね?ウォルマートが大豆を育てているわけでもあるまいし。」と言って笑っていました。)おそらく、コンスタントがウォルマートの駐車場で積み込みをしていたのは、大豆の出荷元を分からなくするためだったと推測されます。例のアイオワ州の大豆加工業者は、その件について、ホルトハウスに聞いてみたことがあるそうです。ホルトハウスは、出荷元を分からなくしているのは、他の穀物商がそれを特定して取引に介入しないようにするためで、他意はないと答えたそうです。それで安心して、その大豆加工業者は取引を続けたのです。その大豆加工業者は言いました、「私は、オーガニック認証証明書があるのをしっかりと確認しました。ですので、万が一、あの大豆がオーガニックでないとしても、私には落ち度は全くありません。」と。
その大豆加工業者は、コンスタントが詐欺関連で捜査を受けていると知った後も、1年以上、ホルトハウスを通じて穀物を購入していました。彼は私に言いました、「俺は、穀物を加工してお金を貰っているだけだ。」と。