16.コンスタントの詐欺の捜査の進展
2016年のミズーリ州とネブラスカ州の両州のオーガニックコーンの生産量は約240万ブッシェルでしたが、コンスタントは180万ブッシェルのオーガニックコーンを販売していました。その年、彼が販売したオーガニックコーンの量は、全米の約7%に相当しました。大豆は8%でした。
ジョン・ハイネッケが私に言ったのですが、その年にコンスタントが販売した穀物の半分以上は彼から仕入れたものだと思われるとのことでした。コンスタントからの買取注文は急増し、とにかく買いまくっていて、まるでギャンブル依存症に陥ったような感じだったそうです。ハイネッケは言いました、「コンスタントはとにかく大豆を買いまくっていました。金に糸目をつけない感じでした。」と。ハイネッケは、しばしばコーンや大豆ををチリコシーまで運び、養魚場の近くに納品することもあったそうです。また、ベトナム帰還兵のトム・ブレナンとその息子が手配したトラックがやって来て、ハイネッケのところから穀物を積んで、ネブラスカ州まで運んだこともあったそうです。
ハイネッケによると、コンスタントは彼に穀物の代金を全額支払ったことはなかったそうです。チリコシーのアップルビーズ(ファミリーレストラン)で昼食を取りながら、彼はコンスタントに全額を支払うよう交渉したこともあるそうです。ハイネッケは言いました、「とにかくコンスタントは、全額を払わないんですよ。例えば、380ドル分の穀物を買ったとすると、300ドルしか支払わないんですよ。それで、『300ドルも受け取れれば、損はしていないだろう。』って言うんですよ。」と。
ブラッド・マイヤーたちがコンスタントの詐欺行為の捜査を始めてから3年近く経った2017年5月のことでしたが、農業雑誌”Successful Farming”誌にコンスタントに関する記事が掲載されました。成功した農業関係者が特集されているページで取り上げられていたのです。その月、コンスタントは、ハイネッケに弁護人を雇うよう助言しました。ハイネッケは、コンスタントに「一体何をしたんだ?」と聞き返したことを覚えています。その翌日、マイヤーと他の捜査官1人が彼の家に召喚状をもって訪れたそうです。その年の6月には、マイヤーらは、オークローン・ドライブにあるコンスタントの家を捜索しました。その頃、コンスタントは、ヘクター・サンチェスに家賃をとらずに貸していた住居から出ていくように頼みました。サンチェスが当時のことを回想して言いました、「コンスタントから『今、大変なことになっているんだ。すまん。』と言われたんです。」と。
コンスタントは弁護士とともに、アイオワ州北部地区の連邦検事局で聴取を受けました。検事局は、詐欺に関してかなりたくさんの証拠を集めていました。コンスタントはキクサティック・ファーミング社を閉鎖し、その資産の一部は、彼の息子の自宅を登記上の住所とする新組織であるイノベーティブ・アクアカルチャー・アライアンスに移されていました。翌年の春、ウォルマート跡地に作った養魚場は取り壊されました。