18.コンスタントと関係のあった者たちの近況
ハイネッケは、コンスタントが弁明した時の様子を思い出しながら、言いました、「あいつは、涙ながらに弁明したんだよ。自分はこんなに素晴らしいことをしてきたと必死になって弁明してたよ。」と。しかし、それを見ていた時のハイネッケは、そんな与太話が裁判長に通じるわけは無いと思っていたそうです。そんな泣き落としが通じると思っていたコンスタントのことを大馬鹿者だと思ったそうです。
ハイネッケが今でもコンスタントに怒り心頭なのは、裁判等で自分がこの詐欺事件の中心から遠くにいることを示したいという戦術的なところもいくぶんあるかもしれません。しかし、ハイネッケは私の取材を受けた際には、法を犯してしまったことについては、不平や不満は一切言いませんでしたので、そうではないようです。むしろ、彼のコンスタントに対する怒りの源は、借金を背負わされたことにあると思われます。コンスタントは、詐欺的に穀物を売買しまくっていた期間に、ハイネッケから250万ドル以上の借金をしました。2017年にハイネッケはコンスタントを訴えました。ハイネッケは、訴えても借金は戻って来ないと思っていました。しかし、借金を返せという訴えを起こさないと、コンスタントと共謀していたように見えてしまい、より詐欺への関与が高く見られてしまうと思って訴えたのでした。事実、借金は返済されませんでした。現在、ハイネッケは3度目の破産申請中です。彼は言いました、「あいつが借金を返さないからだよ・・・」と。
ハイネッケは起訴されませんでした。彼のレイク・ハウスの玄関前で私は彼と立ち話をしました。彼は、自分の弁護士との会話を思い出していました。ハイネッケのことを、コーンや大豆で儲けすぎているから怪しいという者も少なからずいたそうですが、それは正しい認識ではないようです。彼の弁護士がハイネッケの近所の農家の老人たちに聞いたのですが、ハイネッケは働いた分の収入を得ているだけで、儲けすぎているなんてことはなかったそうです。