米国農業ルポ!オーガニック食品に関する大規模詐欺事件の顛末!主犯ランディ・コンスタントは起訴後に自殺!

7.2006年 コンスタントがジェリコ・ソリューションズ社を設立

 2006年、コンスタントは友人のジョン・バートンと設立したジェリコ・ソリューションズ社を通じて、穀物の売買を開始しました。ブッシュマンのようなブローカーを介さずに穀物を販売することが可能になりました。コンスタントは、農場を何カ所も借りていたので、農場のオーガニック認証証明書を保持していました。また、リンダ・ホルトハウスがブッシュマンの下で働いたことがあったので、取引できそうな顧客を沢山知っていました。ジェリコ・ソリューションズ社を設立したことで、コンスタントは、容易に穀物の供給元と供給先を取り持つことが出来るようになりました。なお、この件に関してホルトハウスに話を聞こうとしたのですが、彼女は不正行為で告発されたわけでもないのに、コメントを拒否しました。

 2007年6月と8月に、農業雑誌「The Organic & Non-GMO Report」に2つの記事が掲載されました。コンスタントの詐欺行為が疑われるようになったのは、それがきっかけでした。2つの記事は、ネバダ州の大豆加工会社のことを大々的に報じていました。その会社は、ジェリコ・ソリューションズ社からオーガニック大豆を購入していたのですが、検査をしたところ遺伝子組換の大豆が混入していることが判明していました。その会社は、それにより、10万ドルの損害を被ったと言われています。記事には、ホルトハウスが取材された時に言ったことが掲載されていました。彼女は悪びれるそぶりも無く、「当社側には何の落ち度もありません。オーガニック認証証明書もあります。(中略)当社は何もしていないのに、誰かが濡れ衣を着せようとしているんです。」と。また、彼女は、何の根拠も無いのに、ネバダ州の取引業者から大豆を購入していたので、そこが中国産の大豆を扱っていることが原因ではないかと主張していました。それに対して、その取引業者は、「中国産大豆で遺伝子組換の問題が起きたことはない。」と主張しました。

 このエピソードについて、私はジョン・ハイネッケに聞いてみました。2007年までに彼はオーガニック・ランド・マネジメント社との契約を解消していましたが、コンスタントと全く取引しないわけではありませんでした。ハイネッケが言うには、ネバダ州の大豆貯蔵施設には、除草剤(ラウンドアップ)にも枯れない遺伝子組換の大豆が鉄道貨車で大量に納品されていたそうです。それを、ハイネッケが仲介してコンスタントに大量に販売したのです。もちろん、遺伝子組換であることを知らせた上でです。その大豆は、元々、ハイネッケがミズーリ州の1人の農場主から買い付けたものでした。ハイネッケは言いました、「私は、コンスタントに言ったんです『ここにある大豆は、遺伝子組換だけど問題無いか?』って。そうしたら、あいつは『問題ないよ。早く出荷してくれ。後はこちらで何とかするから。』って言ったんですよ。」と。