米国農業ルポ!オーガニック食品に関する大規模詐欺事件の顛末!主犯ランディ・コンスタントは起訴後に自殺!

8.2007年 ボルジャーディンはコンスタントと袂を分かった

 ボルジャーディンは、オーガニック・ランド・マネジメント社ではコンスタントの共同経営者でしたが、2007年4月に関係を絶つことになりました。その際には、コンスタントが会社を引き継ぐという合意が為されました。ボルジャーディンによると、関係が絶たれたのは仲たがいしたわけではなく、資金繰りに困ったことが原因だったようです。また、2006年にコンスタントは、オーガニック・ランド・マネジメント社の農地の大豆の収量を極端に低く申告していたそうです。

 ボルジャーディンが不正に関わったという証拠はありません。また、彼のオーガニック農業界における評判は今でもすこぶる高いままです。しかし、他の多くのコンスタントと取引した経験のある者と同様ですが、2017年に連邦捜査官が車列を組んで彼の自宅に現れた時には、非常に仰天しました。コンスタントはボルジャーディンが知らないところでサイドビジネスをしていたのですが、捜査官はそのことについての手掛かりを求めていたようです。コンスタントの所有していたトラックのトリップ計も調べられたのですが、その数値はコンスタントが絶え間なくトラックを走らせていたことを示唆していました。1日に数百マイルも走行していました。コンスタントは、ますますリスクをとるようになり、多くの投資をするようになっていました。コロラド州で土地を購入したりしていました。ボルジャーディンは、独り言を言いました、「コロラドで何を作るんだろうね?雨も降らないのに 。」と。

 ボルジャーディンはコンスタントが会社の業容を急速に拡大しようとしている姿を見て、不安になりました。あまりにも拙速だったからです。それで、コンスタントを諫めて自重するように諭すこともありました。しかし、コンスタントはボルジャーディンの忠告に耳を傾けませんでした。ボルジャーディンは言いました、「コンスタントは、上手くリンダ・ホルトハウスを取り込みました。それは、非常に大きなマーケットを手にするということを意味します。それで、ホルトハウスを通じて知った取引先に穀物を販売することに仕事の軸足を移していったんです。」と。

 ボルジャーディンは、オーガニック・ランド・マネジメント社を辞めた後、コンスタントとは話をしなくなりました。彼は言いました、「タイタニック号の救命ボートに乗っているような感じでしたよ。タイタニック号が沈む前にできるだけ速く漕いで遠ざからなければ、自分も引き込まれて一緒に沈んでしまうと思ったんです。」と。