本日翻訳して紹介するのは、Web版にのみ掲載のJohn Cassidyのコラムで、タイトルは”The Inflation Picture Isn’t as Negative as Republicans and the Markets Are Saying”(インフレの状況は共和党やマーケットが言うほど酷くない)です。
John Cassidyはスタッフ・ライターです。スニペットは、”Prices are gradually declining over all, and the Fed chief, Jerome Powell, should resist calls for more drastic interest-rate increases.”(物価は徐々に下落しており、FRB のジェローム・パウエル議長は、より大幅な利上げを求める声に抵抗する必要があります。)となっていました。
8月のアメリカのコアCPIが市場予想(マーケットコンセンサス)を上回る上昇であったことから、それが発表された日のNY株式市場は大幅な下落を記録しました。過去2年間で最大の下げ幅でした。インフレ率が下がらず⇒FRBがFFレートを引き上げる⇒景気後退に陥る⇒同時に株価も大きく調整する、というプロセスの真っ只中にアメリカ経済はあるのでしょうか?
それほど悲観する必要は無いようです。インフレ率というのは遅効性があるので、政策を総動員して対策を実施してもすぐには下がらないのです。しかし、まもなく確実に下がるはずです。根拠があります。1つ目は、原油価格が既に大幅に下がっていることです。何もなければ下落傾向は続くでしょう。輸送費用高騰が食品価格を始めとしてあらゆる商品やサービスの価格を押し上げていましたが、その圧力も弱まって行きます。2つ目は、サプライチェーンの問題が解決しつつあることです。サプライサイドの問題でインフレが加速していた圧力も弱まりつつあります。3つ目は、家賃の上昇圧力も弱まるだろうということです。家賃は、CPIを計算する際に3分の1程を占めています。家賃が上がっていたのは、住宅購入希望者が多く不動産価格が上昇していたことも一因でした。しかし、インフレ退治で金利が上がっていたので、住宅購入希望者が大きく減りました。結果、不動産価格も急激に下がるでしょう。そうすると、住宅を購入する者が増え、部屋を借りようとする者も減るので賃貸価格も下がるはずです。
リスクが無いわけではありません。FRBが上のことを理解しないで、金利を必要以上に上げてしまうことです。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。
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