忍び寄るK字型経済の恐怖!トランプのせいなのか?いや、世界中で進行中でしょ

本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 11 月 17 日に投稿された John Cassidy のコラムで、タイトルは”Donald Trump Can’t Dodge the Costly K-Shaped Economy “となっています。

 本日翻訳したコラムは、K 字型経済について記したものでした。書いたのはスッタフライターの John Cassidy です。もっぱら経済、アメリカ国内政治に関するコラムを書いています。スニペットは、” After insisting for months that his tariffs weren’t raising prices, the President has virtually admitted the opposite by moving to scrap the duties on beef, coffee, and other foodstuffs. “(大統領は、関税は物価上昇につながっていないと何カ月も主張してきたが、牛肉、コーヒー、その他の食料品への関税撤廃に動いたことで、事実上その逆を認めたことになる)となっています。

 さて、海の向こうアメリカでは貧富の差が拡大傾向にあるとのこと。いわゆる K 字型経済が定着しつつあります。富裕層、超富裕層は今年に入って膨大に資産を増やしています。彼らは資産が増えてもそれほど支出を増やすわけではありません。元から財布を気にせず消費していますので富が増えたりしても消費性向が変わらないのです。しかも、そもそも超富裕層なんていうのは 1% もいないわけですので、社会全体の富が増えてもお金が回って景気が良くなるということは起こらないのです。

 アメリカでは、マクドナルド、コカ・コーラが決算発表で低所得者層の一部が支出を削減し始めている兆候が見られると報告しています。本当に富裕者層とは真逆です。対照的です。一方で飛行機のファーストクラス、プライベートジェット、ラグジュアリホテルの予約が取れなくて超富裕層が嘆いている現状があります。

 トランプ大統領の施策が貧富の差を拡大した側面があるのでしょうが、おそらく、彼が何をしても、何をしなくても結果は同じだったのではないでしょうか。実際、他の国でも貧富の差は広がっています。このことは、政治的な問題を引き起こしています。アメリカ、欧州各国、日本でも同じ状況が見られます。それは、貧富の差が広がる⇒庶民(富裕層より圧倒的に人数が多く、政治的パワーは侮れない)の不満が募る⇒現政権への不満が高まる⇒結果、選挙ごとに政権が入れ替わり、安定的な政治状況にならない、というものです。

 しばらくは、どこの国でも、財政規律など気にせず有権者にお金をばら撒くような政策を掲げる政党や政治家が増えると予測します。日本でも消費税廃止とかを掲げる人が増えています。こんなことを言うと叩かれるのであまり誰も口にしないわけですが、消費税は日本の税収の 1/3 を占めています。ですから、それが無くなったら大変なことになります。既に地に落ちつつある円への信任がさらに揺らいで超円安になります。そうしたら輸入品価格が跳ね上がり、超インフレになります。庶民は消費税の負担が無くなった以上の負担を負うのが目に見えています。

 話がそれますが、アメリカの超富裕層って日本とは桁違いですね。イーロン・マスクに至っては、テスラの役員報酬が数兆円です。そもそも、GAFAM の株価を見ても高すぎるように思えません。高すぎる株価が超富裕層を大量に生み出しています。Nvidia の時価株式総額は一社だけで日本の GDP を越えています。時価株式総額というのは、現在視点で見たその企業の将来価値と解すことができるのですが、ちょっと overvalue だと思います(そんな会社の株を 158 ドルで大量に購入した馬鹿は私です。まだプラス圏ですが、最近はかなり寝付きが悪くなってきました・・・)。

 残念ながら、私は今のところ富裕層になれていないですし、今後もなれなさそうです。一攫千金を狙って博打的な投資をしたり、もしくは投機をすればなれるかもしれません。まあ、そんなことをするとスッカラカンになる可能性の方が高いので、地道に倹約に務めるようにしたいです。

 では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。