本日翻訳して紹介するのは、The New Yorker のApril 11, 2022 Issueに掲載の記事で、タイトルは”The Literature of Cabin Fever”(キャビン・フィーバーについて)です。キャビン・フィーバーという疾病に関する記事でした。あまり、誰も知らない病気だと思います。
Ian Frazierによる記事です。氏はスタッフライターで、たくさん記事を書いています。スニペットは、”How lockdown fits into the canon, from the Mad Trapper of Rat River to Huckleberry Finn to “The Shining.”(ラット川の気狂い猟師もハックルベリー・フィンも孤立感が深まって精神異常に陥りました。映画「シャイニング(The shining)」でも主人公が孤立感が深まり精神を病みました。)となっています。
この記事は、キャビン・フィーバーという疾患に関するものです。閉所性発熱と訳されることもあるようです。狭いところに閉じ込められて精神的におかしくなるという病気のようです。狭いところでなくても、海原のボートで1人きりでずっといると発症することもあるようで、要はせまいところという物理的な制約ではなく、孤立感が深まると発症するようです。
さて、新型コロナのロックダウンの影響でキャビン・フィーバーを患う人が多いようです。その症状が顕著に表れた事件がありました。2018年(新型コロナパンデミックが始まる前です)に南極のロシアの研究基地で、研究者が同僚を刺したのです。原因は、本の結末をバラされて頭にきたからだそうです。狭い研究基地で籠りっきりで精神的におかしくなっていたのだろうと推測されています。それで、そのニュースは、珍しい事件として世界中で報道されたそうです。
この記事の筆者Ian Frazierは、そのニュースは、その後に起こる2つの事象を暗示していたと主張しています。1つは、閉所に閉じ篭って精神がおかしくなるような状況が訪れるということです。これは、新型コロナのことだと思います。もう1つは、ロシアが気がふれたような行動をするということです。これは、ウクライナ侵攻のことだと思います。そうした2つことを暗示していたからこそ、このニュースは世界中で興味を持たれたのかもしれないということでした。私は、ただのこじつけだと思いました。
この記事では、キャビン・フィーバーを拗らせて危ない行動をした人物が列挙されていました。ラット川の気狂い猟師、ハックルベリー・フィン、プーチン大統領、映画「シャイニング」のジャック・ニコルソンが演じた主人公ジャック・トランスなどです。私が思うに、他にもいろんな映画等にキャビン・フィーバーで頭がおかしくなった人物が登場しています。映画「ケープ・フィア」のロバート・デ・ニーロが演じたマックスは刑務所の独房で、3月に観た映画「バットマン」のリドラーは孤児院でキャビン・フィーバーを拗らせたようです。キャビン・フィーバーという疾患について、私はその存在すら知りませんでした。結構、怖い疾患だと思いました。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は、和訳全文をご覧ください。