本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版にのみ掲載の記事です。非営利の報道機関プロパブリカがIRSの丸秘資料を入手し、アマゾンのジェフ・ベゾスやテスラのイーロン・マスクが税回避策を駆使していると報じたことに関する記事です。日本でも報じられましたが日経新聞でもここまで詳しくは報じていません。
題名は、”The ProPublica Revelations Show Why We Need to Tax Wealth More Effectively”(
プロパブリカが明らかにした、富裕層の課税逃れを防ぐために税制を改革するべき理由)です。スタッフライターのJohn Cassidyによる記事です。彼は経済に関する記事が多く、とても多作です。
さて、ベソスらが税金逃れをしていることが明らかになったことは日本でも報じられていますが、ベゾスらが税金を払わないで済むようにした手法は主に下の4つでした(わりと昔から誰でも知っているのではないでしょうか)。
- 株等は売らない(保有し続ければ実現益ではないので課税されない)
- 投資の損失分を収入から相殺する
- 不動産に投資する(米国では税法上非常に有利)
- 慈善団体を設立する
この記事を読んで、米国で超富裕層が税金を減らすためにしていることで、私があまり知らなかったのは下の3つです。
- 配当金を出さない
配当金を貰わないから課税されない。また、自社株買いや再投資をすることで資産が増える。バフェットはこれをやっていることで有名 - 膨大な資産を担保に借金をする
利子を払うことになるが、払わなくて済む所得税率に比べれば微々たるもの - 相続時の「ステップアップ制度」
これはアメリカの税制が問題で、富裕層だけでなく誰もが恩恵を受けるわけですが、富裕層ほど恩恵が大きくなります。相続する財産の取得コストは相続発生日の公正市場価格に付け替えらるので、日本と違って相続税率は非常に低くなっています
詳しくは和訳全文をお読みください。では、以下に和訳全文を掲載します。
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