じりじりと下げ続ける嫌な展開が続くアメリカ株式市場!まだ底が見えないだけに、否応なしに恐怖感が増す・・・

 本日翻訳して紹介するのは、The New Yorker のWeb版にのみ掲載のコラムです。5月14日に投稿、タイトルは、”The Slow Crash on Wall Street Likely Isn’t Over Yet”(米国株式市場は、じりじり下げる嫌な展開が続く。まだ、底は見えない・・・)です。

 John Cassidyによるコラムです。氏はスタッフライターです。スニペットは、”As tens of millions of Americans watch the values of their retirement savings decline, many of them are asking what is causing the sell-off and when it will end.”(何千万人ものアメリカ人が自分の老後資金の価値が下がっているのを目にしています。彼らの多くは、暴落している原因が何であるかを知りたがっています。また、いつになったら下げ止まるのかということも知りたがっています。)となっています。

 アメリカ株式相場に関するコラムでした。Cassidy氏は、株価はもっと下落するだろうと予測しています。根拠として、PERの数値を挙げています。歴史を振り返ると、1880年以降の平均のPERは16%ほどです。現在、すでに株価が下落したとはいえ、S&P500の全体のPERを計算すると20倍ほどになります。ですから、さらに2割くらいは下落しても不思議ではないのことです。また、相場の急騰時や急落時には、価格はオーバーシュート(行き過ぎる)ことが多いので、2割を超えて下げる可能性もあるそうです。

 Fedは、どのくらいまでの株式市場の下落を許容するのでしょうか?株価水準が以前の水準に戻るとしたら、かなり先の話だと思われます。株価の評価指標としてよく使われる株価収益率(PER)を見てみたいと思います。S&P500の場合、1880年からの平均の株価収益率(PER)は約16倍です。現在の株価が下落した局面でも、PERは20倍程度です。株式市場がかなり下がったとはいえ、PERから推測すると、さらに20%くらい株価が下がる可能性があります。しかし、過去のデータを見ると、相場は下降する時も上昇する時と同様にオーバーシュートする(行き過ぎる)ことが多いので、20%を超えて下落する可能性も少なからずあるようです。

 Fedは、どのくらいまでの株式市場の下落を許容するのでしょうか?株価水準が以前の水準に戻るとしたら、かなり先の話だと思われます。株価の評価指標としてよく使われる株価収益率(PER)を見てみたいと思います。S&P500の場合、1880年からの平均の株価収益率(PER)は約16倍です。現在の株価が下落した局面でも、PERは20倍程度です。株式市場がかなり下がったとはいえ、PERから推測すると、さらに20%くらい株価が下がる可能性があります。しかし、過去のデータを見ると、相場は下降する時も上昇する時と同様にオーバーシュートする(行き過ぎる)ことが多いので、20%を超えて下落する可能性も少なからずあるようです。

 Cassidy氏の予測、相場がさらに下落する可能性が高いという予測が正しいか否かは私には分かりません。しかし、私は臆病者なので、明日以降で少しポジションを減らしたいと思います。かなりの損が出ますが、損失を限定できたと思うしかありません。ファンド等の運用者とかであれば、株式のポジションを減らした後も成績を残す必要があるので、債権を買ったり、株価が上がる場合に備えてコールオプションを持ったりする必要が有るでしょうが、私はしばらく取引は控えたいと思います。

 さて、実は私はCassidy氏の悲観的な予測が必ずしも当たるとは思っていません。そもそも、予測なんて不可能ですから。2年前にこんなにインフレ率が高くなると予測していた人がいたでしょうか?ラリー・サマーズは超インフレになると言っていましたが、彼の場合はずっと前から超インフレになると言い続けていただけのことで、予測が当たったわけではないのです。そう、経済予測なんてものは、全く当たらないものなのです。そこは、肝に銘じておくべきだと思います。

 しかし、このCassidy氏のコラムを読むと、彼の予測は筋が通っていて、当たるような気がしてしまいます(まだ、2割以上下げる・・・)。筋が通っていても当たらないのが経済予測なのですが、無視することも出来ないと思いました。米国株に沢山投資している方で、パウエルFRB議長が再三に渡ってインフレ退治を優先すると警告を発しているにもかかわらず、ポジションを手控えていない人はこのコラムを読んで欲しいと思います。5分で読める短いものです。いや、もう既に手仕舞いしたという人がほとんどだと思いますが・・・

 では、以下に和訳全文を掲載します。