What the Latest Inflation Figures Mean for the Economy
最新のインフレ率から今後の景気動向を読み解く
John Cassidy on the Consumer Price Index, fears of a recession, and why Biden “is getting something of a raw deal.”
消費者物価指数について、不況に陥る危険性について、ジョン・キャシディに聞いてみました。また、バイデン大統領の支持率はなぜ低いのかも聞いてみました。
By The New Yorker April 13, 2022
ジョン・キャシディは1995年から当誌”The New Yorker”のスタッフライターとして、政治や経済について幅広く執筆しています。今週、彼に、直近のインフレや、米国経済が直面するリスク等について話を聞きました。
QUESTION 1 :
火曜日(4/12)に発表された3月の消費者物価指数(CPI)は、4カ月連続7%以上となって40年ぶりの高水準となって新聞等を賑わあせています。その数字を深く掘り下げると何が読み取れるでしょうか?非常に恐ろしいことが起こる予兆なのでしょうか?それともそれほど心配するほどのことでもないのでしょうか?
ANSWER 1 :
インフレ率とは、経済全体の無数の取引から算出される複合的な数値であり、指数です。その指数を分解して分析してみなければ、何が起こっているのかは分からないのです。先月は、エネルギー価格と食料品価格が大きく上昇したことが顕著でした。原因を調べると、程度の差はあるものの、いずれもウクライナ情勢の影響が大きかったようです。そのマイナスの影響が顕著になりつつあります。エネルギー価格の急騰が、経済全般に波及しつつあり、いたるところで価格上昇圧力が強まっている兆候が見られました。特にサービス分野などで価格上昇が顕著となっています。配送業やクリーニング業では、エネルギーを大量に消費するので、過去12ヶ月で10%以上価格が上昇しています。そうした動向が続いていたわけですが、3月のCPIは全体で1.2%上昇し、過去12ヶ月では8.5%上昇しました。しかし、食料品とエネルギーを除外すると、3月の物価上昇率は0.3%で、2月の0.5%よりも低くなっていることが分かります。それは、ちょっとだけ良いニュースかもしれません。インフレがピークに近づいている、あるいはすでにピークに達しているという可能性が高いと言えます。火曜日(3/12)に発表されたCPIの数値に関する報道が各社から為されましたが、その点を報道しているところはありませんでした。しかし、ウォール街の投資家はそうではありませんでした。実際、長期的なインフレ予想が反映される10年物国債の利回りは、いくぶん低下していました。