本日投稿する記事は、the New Yorker のweb版にのみ掲載の記事で、題は”What Will It Take to Pandemic-Proof America?”(米国をパンデミックに対する耐性の強い国にするには何が必要か?)です。内容は、今回パンデミックで得た教訓を次に生かすことが重要だということです。
Dhruv Khullarによる寄稿です。米国では、今回のパンデミックで多数の死者が出ました。決して対処が上手く出来たわけではありません。米国では、そもそも自国で感染症が蔓延するということなど誰も予想していませんでした。感染症の蔓延は低所得国でのみ起こり得ることと認識していたのです。ですから、それに対する備えは不十分でした。当然、結果は悲惨なことになりました。しかし、米国は今回のパンデミックで、次の感染症のパンデミックがいつ発生しても不思議ではない認識しました。ですから、その際には今回の教訓を生かして上手く対処できるような気がします。
記事中で、韓国の新型コロナ対応が優れていたと記されています。韓国はMERSのパンデミックの際の教訓を生かして、万全の準備をしていました。翻って日本の対処はどうだったか振り返ると、拙かったと言うしかありません。でも失敗したことは問題ではないのです。韓国と違って、パンデミックを経験するのは初めてだったのですから。重要なのは、次に今回得た教訓をどう生かすかということだと思います。ワクチン接種が他国より遅いのは出来れば改善してほしいと思います。
詳細は和訳全文をお読みください。要旨を記した後に和訳全文を掲載する形にします。要旨は次のとおりです。
要旨
- アメリカはこれまで様々な危機に直面してきた。上手く対処できた時もそうでない時もあった。
ジョンソン&ジョンソンのタイラノルにシアン化合物が混入された際には上手く対処した。逆に、今回のパンデミックでは上手く対応したとは言い難い。 - アメリカでパンデミック対応が拙かったのは、誰も自国で感染症が蔓延すると予期していなかったからである。
そもそも感染症蔓延など予期していないので、備えなどありませんでした。日本も同様でした。ある意味、これは致し方ないことである。想定していない感染症の蔓延に対して万全の体制が敷かれていたら、それはそれでおかしなことである。 - アメリカの対応が拙かったのは、パンデミックをこの数十年間で一度も経験していないことも原因であった。
日本も同様であった。それも致し方ないことである。対照的にMERSのパンデミックを経験していた韓国の対応は洗練されていた。 - 今回のパンデミックが終息しても、またいつか必ず別のウイルスによるパンデミックが発生する。
次のパンデミックに備えることが重要である。 - 次のパンデミックを引き起こす感染症は、今回のウイルス(SARS-CoV-2)より厄介な可能性が高い。
変異率が高いRNAウイルス、致死率が高くなりがちの動物由来感染症、ワクチンが無く致死率が高くなりそうなニパウイルスなどのパンデミックが発生した場合への備えも必要。 - アメリカがパンデミックに上手く対処すべきために集中して取り組むことは3つ
①感染状況監視体制の整備②ワクチンの供給体制構築③各国との協調体制
では、以下に和訳全文を掲載します。