中国悲報!ウイグル問題を国連報告書は「人道に対する罪」と指摘するも、ジェノサイドとは認定せず!嘘でしょ?

Q.10

では、あなたは中国が新疆で何をしていると思いますか?教えてください。

A.大雑把に言えば、中国は、国家として新疆でやりたいことの邪魔をしているのが少数民族だと考えているようです。新疆は中国による植民地支配の舞台となりつつあります。中国には壮大な目標があり、それは新疆の植民地化を完成させることです。新疆という中国語の地名ですが、その意味は、”new dominion”(新しい支配地)という意味であることを忘れてはいけません。中国政府は、そこを政府の言うことに黙って従う従順な者だけが住む土地に変えようとしているのです。漢民族が住む他の地域と区別がつかないような地域に変えたいと考えているのです。新疆における漢民族、ウイグル族、その他のトルコ系少数民族の関係は、明らかに植民地的な状況です。漢民族は自分たちが優れているという認識を基に、優れた文明と強大な経済力を持つ漢民族が支配して近代化のプロセスを牽引し、一部の劣った少数民族を追従させることが正しいことであると信じているのです。

 中国政府にとって問題なのは、新疆ウイグル自治区には、1千万人以上が住んでいるということなのです。中央アジアの一部を成すその地域には、ウイグル族等が大昔から住んでいるのです。中国政府は、これらの人たちを飼い慣らして忠実な市民にするか、徹底的に抑圧して絶対服従させる必要があると判断したのです。中国政府は、自らの取り組みをテロ防止対策や宗教的過激主義を封じ込めるための戦いであると主張しているわけですが、全く説得力を欠いています。中国政府は長期的に植民地化プロジェクトを続けてきたわけですが、ウイグル族やその他の少数派民族が中国政府に敵対的であったと非難しています。でも、そんなことを言い出したのはつい最近のことなのです。中華人民共和国が成立して以降、ウイグル族等は、つい最近まで中国政府に敵対的であると見なされていなかったのです。最初は封建的であると認識され、それが、転じて修正主義的と認識され、つい最近になって分離主義的と見なされるようになったのです。過激派 や テロリスト というレッテルがウイグル族に貼られるようになったのは、つい最近のことなのです。それは、中国政府がウイグル族を飼い慣らそうとし始めた後のことで、植民地化プロジェクトの邪魔になると感じるようになった後のことなのです。

 中国はウイグル族の人たちを忠誠心があるか否かで色分けしようとしています。中国政府は、意図して新疆ウイグル自治区で、ウイグル族独自の文化を破壊して抑圧する政策を実行しています。同時に、ウイグル族等少数民族の人たち全員が中国政府に対して忠誠心を持ち合わせているわけではないことも認識しています。中国政府の新疆ウイグル自治区での取り組みは、忠誠心を持っていない者を探し出し、罰するためのものです。この取り組みの恐ろしいところは、ウイグル族やカザフ族の者であれば、忠誠心があると示す際に控えめに表明するだけでは不十分であるという点です。中国政府や共産党に対する忠誠心を積極的に示す必要があるのです。そのためには、隣人等について監視して密告する必要があるのです。政府や党に対して不誠実な行動をとったことを密告して非難し糾弾しなければならないのです。

 せっせと密告をしなければ、すぐに自分に疑惑の目が向けられることとなります。ですので、自然と密告が行われるようになっていき、それによって弾圧が行われます。新疆の治安当局の極秘のデータベースが暴露されたことがあるのですが、海外から電話がかかってきたとか、ひげが生えているとか、まったく無害な行動で逮捕された事例がたくさんあったことが判明しています。ご存じのとおり、中国政府は、ウイグル族等の誰もが政府に対して不誠実であると認識しています。また、ウイグル族等が独自の文化的・宗教的アイデンティティを確認しようとするわずかな兆候も不誠実さの証拠であると認識していますし、そうした不誠実さは、教育や洗脳によって打ち消さなければならないと考えています。中国政府がそうした前提に立っていることを考えれば、せっせと密告することを奨励することは、実に理にかなっていると言えるでしょう。