習近平の“大粛清ショー” 人民解放軍と世界秩序を弄ぶのは独裁者の末期症状?

習近平が進める軍幹部粛清の狙いとは?反腐敗運動の背景、トランプ政権下の国際秩序、ロシアとの関係まで徹底解説。背が高いだけが取り柄の独裁者はまず家族の腐敗に対処すべき?

  本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 2 月 9 日に Isaac Chotiner 投稿された Q & A というコーナーです。Chotiner はスッタッフライターで、政治・経済全般において重要なイベントがあると Q & A というコーナーで専門家に質問する形でイベントの影響等を分析しています。タイトルは” What Does Xi Jinping Want? “(習近平は何を望んでいるのか?)となっています。

スニペットは、” The machinations behind his recent military purge, and whether China sees an opportunity in Donald Trump’s aggression toward Europe.(人民解放軍幹部粛清の背後にある策略、そして中国がドナルド・トランプと欧州との対立を好機と捉えているかどうか。)となっていました。

 さて、このコラムの翻訳文の要約を記した後、和訳全文を掲載します。

要約

■ 習近平が軍幹部を粛清する理由

腐敗の深刻化が背景

胡錦濤政権末期、中国では腐敗が制御不能に拡大。
社会不満が爆発寸前で、中国共産党の存続を脅かすレベルだった。

反腐敗運動は複数の目的を持つ

実際の腐敗対策。
同時に党内のイデオロギー統制強化、政治的ライバル排除の手段。

■ 軍部粛清の構造

最初に「文民幹部」を狙い、次に制服組へ拡大。
2014年の古田会議が大転換点

毛沢東が開催した歴史的会議を再現。
人民解放軍内部の大規模な反腐敗と人脈解体が開始。

昇進買収が横行、軍の機能を損なう状況だった。

■ 張又侠の粛清は何を意味するか

大規模な汚職が可能だった装備部門のトップ経験者。
中央軍事委員会は7名→2名(習と張勝民のみ)に縮小。
真の理由はブラックボックスで外部からは不明。

■ 習近平の最終目標

戦闘能力が高く必ず勝つ軍隊の構築。
軍を完全に掌握し、自分の外交戦略に従う指導層を配置。

■ 国際情勢との関係:トランプ政権の影響

習近平は「100年に一度の大変動」と繰り返し発言。
トランプのNATO軽視は中国の対外宣伝に好都合。
だが国際秩序が崩壊しすぎると中国にとっても不利。

■ 中国の対外戦略

国連での存在感拡大。
グローバルサウスに「一つの中国」支持を広げる。
台湾問題を国際社会で内政問題化するための外交攻勢。

■ ロシアとの関係

プーチン政権の維持は中国にとって安全保障・資源面で重要。
ロシアが弱体化すると中国に不利益。
欧州との関係深化を妨げるのは中国の「重商主義的政策」。

■ 習近平体制の特徴

権力は強大だが、中国の巨大官僚機構は完全には従わない。
情報統制が強く、習に関する情報は入手困難。
経済・技術・学術の全分野で「対西洋デカップリング」を進めている。
中国独自の知識体系・近代化モデルを打ち立てようとしている。


以上、要約でした。以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。