本日翻訳し紹介するのはThe New Yorker のJanuary 31, 2022 Issueの記事で、タイトルは”America’s Favorite Pickup Truck Goes Electric”(アメリカで最も売れているピックアップトラックのEV化)です。フォード社のEV化の取組に関する記事でした。
John Seabrookによる寄稿記事です。氏はテクノロジー関連の記事を中心に寄稿しています。サブタイトルは、”Ford’s F-series trucks make up the best-selling vehicle line in the U.S. Can its new F-150 Lightning compete with Tesla in the E.V. market?”(フォードのFシリーズのピックアップトラックは米国で最も売れている車です。さて、F-150ライトニングは、EV市場でテスラ社の牙城を崩すことができるでしょうか?)です。
この記事は、フォード社のEV化の取組みに関するものでした。フォード社は、昨秋にピックアップトラックのEV版を22年春に発売すると発表していました。日本と違って、アメリカでタイプ別で一番売れている車はピックアップトラックです。その中でも、フォード社のFシリーズはとても人気です。そのFシリーズの中でも一番人気があるのはF-150でした。フォード社は、そのF-150のEVバージョンを昨秋にお披露目していました。その名は、F-150ライトニングです。予約が殺到していて、フォード社は、生産能力の拡大等を計画していますが、納車まではかなり待たされそうです。
F-150ライトニングの内外装は、ほぼF-150のものを踏襲しています。理由は2つです。1つ目は、F-150は最も売れている車種ですので、そのままEV化したら売れそうだからです。2つ目は、内外装を新たにデザインしないので、その費用と時間がかかりませんし、旧来からのパーツ等を流用できるからです。ところで、テスラ社のEVは、セダンタイプとスポーツカータイプしかありません。他のEVメーカーもほとんどそうです。なぜ、フォード社はセダンタイプのEVよりも先にピックアップトラックのEV版を作ったのでしょうか?理由は、簡単です。そうしたくてもできなかったのです。フォード社は、既に2018年に不振を理由にセダン車の製造販売から撤退しています。いまさらセダンタイプのEVを作っても売るディーラー網やチャネルが無いのです。
さて、フォード社のEVは売れるのでしょうか?先行するテスラ社の年間EV販売台数は100万台弱です。フォード社は、たったの数万台です。トヨタもGM等もEVシフトを鮮明に打ち出していて、競争はますます激しくなっています。私は、フォード社は競争に打ち勝てないような気がします。全く根拠は無いのですが。EVの競争を勝ち抜くためには、ソフトウェアの品質で優位に立たないといけないのですが、そこはフォード社の強みではないと思います。まあ、10年もすれば結果は出ると思います。
あと、この記事を読んで私が驚いたのは、ノルウェーのEVの普及率の高さです。20年の新車販売台数の75%がEVだったそうです。EVって値段が高いというイメージがありますが、ノルウェーは平均所得が高い国で、環境問題に関する意識も高いので、多くの人がEVを買うのでしょう。そんなに普及しているということは、きっと充電ステーションとかも充実しているのでしょう。ひょっとすると、EVの普及率にはティッピングポイント(物事がある一定の閾値を超えると一気に全体に広まっていく際の閾値やその時期、時点のこと)があって、ある程度まで普及すると、それ以降は爆発的に普及するのかもしれないと思いました。
話がそれてしまいましたが、詳細は和訳全文をご覧下さい。以下に、和訳全文を掲載します。