フォード社の復活は近い!アメリカで一番売れているピックアップトラックF-150のEV版に予約殺到中!

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 11月10日に、私はビル・フォードと話をしました。その日は、奇しくもリビアン社がナスダック市場で新規株式公開(IPO)を果たした日でした。その日の内に、リビアン社の時価総額は1,001億ドルに達しました(ちなみに、スカリンジの個人資産は20億ドルになりました)。リビアン社は利益も出ておらず、車の製造実績もまだ少ないにもかかわらず、一瞬だけですがフォード社の時価総額を上回りました。もっとも、フォードの株価はそれ以降上昇しており、時価総額はリビアン社より高い状態を維持しています。リビアン社の株価が高騰したことは、世界有数の大企業であるフォード社よりも、EV製造台数の実績が200台しかないスタートアップ企業の方が企業価値が高いと投資家が考えているということを示すものでした。多くの投資家が、リビアン社は自動車業界を襲うEV化やデジタル化の大波を上手く乗り切ると予測しているのでしょう。

 しかし、ビル・フォードは特段驚いてはいませんでした。「リビアン社の株価が凄いことになっていますね。それだけ、評価されているということですから、リビアン社にとっては良かったのではないでしょうか。私も嬉しいですよ。EVが期待されているということが分かったわけですから、とても感慨深いですね。私は、こういう時代が来るのを待ち望んでいたんです。20年以上前に、私は環境に優しい車を作り、環境に優しい製造方法を導入すべきだと訴えたことがあるのです。その時、私は自動車業界から一斉に叩かれました。まるで裏切り者扱いでしたよ。そうした状況が、やっと変わったんです。私があと30歳若ければ、先頭に立ってEV化の推進を指揮したいんですけどね。」と。

 昨年5月には、ビル・フォードの娘であるアレクサンドラ・フォード・イングリッシュが、フォード社初の女性取締役会に就任しました。彼女が同社の自律走行車部門の責任者として入社したのは、2017年のことでした。彼女は、現在33歳です。33歳といえば、彼女の曽祖父のヘンリー・フォードがトーマス・エジソンと出会った時と同じ年齢です。

 ビル・フォードは言いました、「彼女は、かつて私がやろうとしたことを実現してくれるでしょう。環境に優しい車を作ってくれるでしょう。とても素晴らしいことですよ。」と。♦

以上