本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の April 22 & 29, 2024 issue に投稿された Gideon Lewis-Kraus による記事でタイトルは、” Are Flying Cars Finally Here? “(空飛ぶクルマがついに登場?)」となっています。
April 22 & 29, 2024 issue は Innovation & Tech 特集でしたが、1 つも訳していなかったのを思い出したので、面白そうなのを選んで訳しました。Gideon Lewis-Kraus はスタッフライターで著作も出しています。スニペットは、” They have long been a symbol of a future that never came. Now a variety of companies are building them—or something close. “(空飛ぶクルマは、決して実現しなかった未来の象徴だった。現在、さまざまな企業がそれを、もしくはそれに近いものを作っている。)となっていました。
さて、今回翻訳した記事は、空飛ぶクルマについて書いたものでした。どうやら、実用化して普及する日もそう遠くなさそうです。この記事を書いた Gideon Lewis-Kraus も乗って操縦しました。2 週間ほどトレーニングしただけでした。えっ、2 週間で乗れちゃうの?と思いました。2 周間といえば、日本の合宿免許のようなものです。
空飛ぶクルマは 20 世紀中頃には、近い未来に実現するものと見られていました。それがこんなに時間がかかってしまったのは、当局の規制のせいだと Gideon Lewis-Kraus は指摘しています。まあ、そうなのかもしれません。私なんかは逆だと思います。当局の規制が緩くて空飛ぶクルマの開発を試みる企業に自由に研究開発させていたら、おそらくとんでもないインシデントが多発していたでしょう。それで、功名心に満ち溢れた企業が無謀な実験をしたりして、死者が出るとか家屋に墜落する等々の事故があれば、空飛ぶクルマはけしからんという世論が醸成されて、研究開発自体ができなくなるような状況になっていたと推測します。何でもかんでも規制はあかんと声高に主張する人がときにいますが、必要な規制もあると思います。
さて、空飛ぶクルマの何がそんなに難しいのか?私なりに考えてみました。垂直離着陸が難しいのだと思います。空飛ぶクルマは 1 人乗りとかですから、基本的に乗用車の駐車場くらいのスペースから飛び立たないといけません。つまり、滑走路は無いのです。垂直離陸では、離陸する際にローターで揚力を生み出して浮上するわけですが、ローターは基本的に 4 つの場合が多いようです。それをシンクロさせないといけません。これは、人間の手では無理です。操縦のプロのマックス・フェルスタッペンでも無理です。センサーとコンピューターの力を借りないと無理です。おそらく、10 年前のセンサー、コンピューター、モーターでは、空飛ぶクルマは実現できなかったと思います。それらが、十分な能力になり、大きさも飛行の足かせにならないほど小さくなり、安定して安価に供給できることになったことで空飛ぶクルマがようやく実現できたということだと思います。
あと、すごいと思ったのは、ライト兄弟が飛行機を発明してから 60 年後にボーイング 707 が生まれたことです。純粋にこの 60 年は濃いと思いました。 でも、実際には歴史上のどの 60 年を切り取っても、同じように濃い進化をしているのだと思います。テクノロジーの進化に到達点は無いようです。現時点では夢のようなものと思われているテクノロジーも 60 年後には実現しているかもしれません。それは、宇宙エレベーターかもしれないし、火星移住かもしれないし、テレポーテーションかもしれない。まあ、私は 60 年後には生きていないだろうから、個人的には水虫があっという間に治る薬だけ開発されれば文句はない(ジムの風呂でうつされて、薬を塗っても治らない)。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をお読みください。