本日翻訳して紹介するのはthe New Yorker のWeb版に掲載のEliza Griswoldによるコラムです。タイトル”Could Coal Waste Be Used to Make Sustainable Batteries?”(炭鉱の鉱くずを利用してサステイナブルなバッテリーを作ることができそう?)です。
Eliza Griswoldは、宗教、政治、環境問題等に関する記事を寄稿しています。スニペットは、”Acid mine drainage has long been a scourge in Appalachia. Recent research suggests that we may be able to simultaneously clean up the pollution and extract the minerals and elements needed to power green technologies.”(炭鉱の酸性廃水は、長年に渡ってアパラチアの環境を汚染してきました。最近の研究では、汚染を除去すると同時に、環境に優しい技術に必要な鉱物等を抽出できる可能性があることが示唆されています。)となっています。
アメリカで、炭鉱の鉱くずや酸性廃水から、レアアースや貴重な鉱物を抽出する技術が確立されているようです。ただし、炭鉱によって鉱くずや酸性廃水の成分が異なっており、レアアース等の含有量と種類も異なるので全ての炭鉱で鉱物等を抽出しても採算がとれるわけではないそうです。
鉱くずや酸性廃水から鉱物等を抽出する技術が確立されるメリットは何でしょうか?廃水等から重金属類も取り除かれますから、環境への負荷が低減します。また、取り除いた金属の中にレアメタルが含まれていますので経済的な利益もあります。石炭採掘企業も高価な鉱物が抽出できるので無秩序に鉱くず等を放置することは無くなりそうです。また、レアアース等も含まれているので、中国やコンゴからの輸入に依存している状況を変えることができます。これは、経済安全保障上の大きなメリットです。
しかし、デメリットもあります。上のような経済的利益があると、それが石炭を採掘するインセンティブとなってしまってしまいます。それで、石炭採掘量が増えてしまう可能性があるのです。そうすると、環境負荷が大きくなってしまいかねません。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧下さい。