Doctors Are Increasingly Worried About Biden
多くの医師がバイデンの症状を懸念していた
Nine physicians weighed in on the President’s health. Almost all were concerned that Biden’s symptoms might go beyond a gradual, aging-related decline.
9人の医師が大統領の健康状態について意見を述べた。ほぼ全員が、バイデンの症状が加齢に伴う緩やかな衰えを超える可能性があると懸念している。
By Dhruv Khullar July 18, 2024
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ジョー・バイデンが 2019 年の大統領選への立候補を表明した瞬間から、彼は歳を取りすぎていることを攻撃されてきた。当時、バイデンは 76 歳で、次世代への「架け橋( bridge )」となる「移行期( transitional )」の人物と自らを位置づけていた。彼は大統領に就任して以降、数々の成果を挙げてきた。上下院で民主党の議席数が多くない中で、不可能だと思われていた意義深い法案をいくつも可決してきた。しかし、この 1 年間で、高齢懸念が高まり、彼に対する支持率がしぼみつつあった。多くの民主党スタッフ、有力支持者、同僚議員が彼の精神面の欠陥を指摘していた。2 月にロバート・ハー( Robert Hur )特別顧問はバイデンの機密文書取り扱いに関する報告書の中で、大統領を「善意ある、記憶力の悪い老人」と評した。先月、5 千万人以上の有権者が見守る中、彼は大統領討論会で史上最悪のパフォーマンスを披露した。数字や言葉を忘れ、思考の流れがわからなくなり、文章を最後まで言い終えるのに苦労した。彼は集中力のない様子を晒し、顎はだらりと垂れ、目はうつろだった。最後には、ファーストレディがそっと彼をステージから降ろさなければならなかった。
討論会後、ニュースウェブサイトのアクオシス( Axios )は、バイデンは午前 10 時前と午後 4 時以降は疲れて失言する傾向があると揶揄した。バイデンは記者会見で、「もう少しペースを落とさなければならない」と述べた。81 歳と高齢なので致し方ないのかもしれない。一方、バイデンの支持者の多くは、彼のパフォーマンスを擁護していた。彼らは、時差ぼけ、風邪、多忙なスケジュール、準備不足、準備しすぎ等々が失敗した原因であると主張し、そして「良い日もあれば悪い日もある 」と弁護した。これは、自分の祖父が車を安全に運転できるか否かを判断する時に話すような内容である。誰が国を動かすべきかどうかを考える時にする話ではない。民主党内には、支持を続けるとする者もいるが、あからさまにバイデンを非難する者もいる。バイデンが選挙戦を戦い続ける意向を再表明した後、84 歳という年齢を理由に 2022 年に下院議長職に再び立候補しないと表明していたナンシー・ペロシ( Nancy Pelosi )下院議員は「出馬するかどうかは大統領次第である。」とニュース専門放送局の MSNBC に語った。少なくとも 20 人の民主党下院議員がバイデンに大統領選撤退を要求している。先週、バーモント州選出のピーター・ウェルチ( Peter Welch )が民主党上院議員として初めて出馬辞退を要求した。
誰でも、気分やパフォーマンスは日によって変動する。しかし、変動の振れ幅と頻度が問題である。時々鍵を置き忘れたり、友人の誕生日を忘れたりするのは、定期的に考えがまとまらなくなることに比べれば重要な問題ではない。定期的に考えがまとまらなくなるのは、認知障害が進行している兆候である可能性が高い。また、進行の仕方と速さも問題である。緩やかに進行する場合と、急速に大きな波動で下降する場合とでは、予後が異なる可能性が高い。討論会以降、私は内科医、老年科医、神経科医、神経外科医を含む 9 人の医師にバイデンの健康状態について意見を求めた。彼らのほとんどは、政治的には中道から左寄りで、国内のさまざまな地域で開業しており、年齢も 30 代から 60 代までと幅広い。彼らは、遠くから大統領を見るだけで診断することはできないと述べた。また、誰も名前を引用されることは拒んだ。しかし、彼らのほぼ全員が懸念していたのだが、バイデンの症状が加齢に伴う緩やかな衰えを超えて、もっと深刻なもの、たとえば意味のある認知障害や神経変性疾患によるものである可能性が高いという。神経系の疾患があるという評価は妥当であるというのが大方の見方だった。ある神経科医は、西海岸で開業している民主党支持者であるが、バイデンの討論会のパフォーマンスには多くの同僚が失望させられたと語った。「私たち全員が、これは尋常ではないと感じた。」とその神経科医は言った。
私も医師としてしばしば経験しているのだが、診察前に患者のカルテを確認しておいて、実際に患者を診て驚かされることがある。カルテに書かれているよりもはるかに健康的であったり、逆に重篤であったりすることがある。診察して、患者から症状を教えてもらって、予期していたことを覆すことも少なくない。やはり患者を直接診ずに診断を下すことは避けるべきである。診断は慎重に行うべきであり、ビデオクリップに基づいて自信を持って診断を下す医師はいない。また、多くの医療関係者は、当然のことながら、公人についてコメントすることを好まない。人の健康を公然と分析するのは、押しつけがましく見苦しいと感じる。また、たとえ誰かを神経疾患と診断したとしても、その人物が仕事を続けるのを拒否する理由にはならない。しかし、その人物の行動が今後何年にもわたって何百万人もの人々の生活に影響を及ぼす可能性がある場合には、異なる基準を適用するのが妥当でる。バイデン大統領の健康状態について専門家たちと話していて私が疑問に思ったのは、彼らの専門知識が専門家としての規範のベールに包まれたままで良いのかということである。私の同僚の医師たちは、バイデンの症状を私に説明することができた。どのようなテストが有益であるか、そして今後数年間の可能性等々を説明してくれた。一般の人々も同じことを知る権利があるのではないか?
加齢は残酷なものである。風邪を引いたり、転んだり、寝不足になったりといった生理的なストレスが、時間の経過とともに、より深く、より長く影響を及ぼすようになる。些細な不具合が大きな違いを生み始める。パイロットや外科医など安定した能力があることを証明しなければならない職業に就いている者は職を辞さなければならなくなる。それは大統領も同じである。実は、討論会で議論するのは党大会で演説するよりも難しい。というのは、それぞれにおいて必須となる認知資源が全く異なるからである。楽譜を読む時に必須の認知資源と、即興でジャズのソロ演奏をする時に必須の認知資源が違うのと同じことである。誰かが演説して多くの聴衆が感動したとする。演説では、内容も話し方も素晴らしければ多くの聴衆を鼓舞し説得することも可能である。その上、そうした演説をした者は、聴衆から何に取り組んでも熟度が高いと推測されがちである。バイデンはどのようなパフォーマンスを示すことができるのか?「多くの脳神経研究者がバイデンの認知機能について興味を持っている。」と、ある神経外科医は言った。「しかし、そのことを公にしようとする者は 1 人もいない」。