認識誤り?トランプはマッキンリーの関税政策を賞賛しているが、結果は悲惨だったぞ!!

The Financial Page

Even Donald Trump’s Historical Role Model Had Second Thoughts About Tariffs
ドナルド・トランプが見本とする人物でさえ関税政策を変えざるを得なかった

President William McKinley was a steadfast protectionist—until a depression and a G.O.P. wipeout.
ウィリアム・マッキンリー大統領は、大不況と共和党の選挙大敗を受け、固執していた関税政策を捨てた。

By John Cassidy March 17, 2025

1.トランプは、マッキンリーの関税政策を激賞している

 先日、ドナルド・トランプがソーシャルメディアに「世界中がアメリカから金をむしり取っている!」と書き込み、EU のワインやシャンパンに 200% の関税を課すと脅迫した。多くの投資家が彼の行動によってアメリカ経済が不況に陥る可能性を認識し頭を悩ませている。私はたまたま、トランプがお手本としているかつての共和党議員の伝記を読んでいた。その人物は関税引上げ強硬派で知られるオハイオ州出身のウィリアム・マッキンリー( William McKinley )である。1897 年 3 月から 1901 年 9 月までアナーキストによって暗殺されるまで大統領を務めた。昨年、トランプはマッキンリーが 「この国を豊かにした 」と語っていた。トランプは 1 月に大統領に復帰した初日に、北米最高峰のアラスカの山の名前をッキンリー山( Mt. McKinley )に戻した。

 ” President McKinley: Architect of the American Century “なる書籍が 2017 年に出版された。現時点ではまだ邦訳は出ていない。邦訳するとすれば「マッキンリー大統領(アメリカの世紀の設計者)」くらいのタイトルが適切だろう。著者は、ジャーナリストで作家のロバート・W・メリー( Robert W. Merry )である。マッキンリーは南北戦争後の数十年間、アメリカ経済を急成長させるためには高関税の壁が必須条件だと考えていたという。「筋金入りの保護貿易主義者( steadfast protectionist )」だった。1890 年にマッキンリーが下院歳入委員会委員長( the chairman of the House Ways and Means Committee )を務めていたとき、彼は多くの輸入品に対する関税を平均で 50% 弱まで引き上げる関税法案を提出した。ナショナリストを自認するトランプの主張と似ている。彼は下院の議場で「この法案はアメリカのための法案である。アメリカ国民とアメリカの利益のために作られたものである」と宣言した。その 7 年後、大統領執務室にて彼は一部の関税をさらに引き上げる法案、ディングリー法( the Dingley Act )に署名した。

 マッキンリーはまた、1898 年の米西戦争( the Spanish-American War )を指揮した。その帰結として、アメリカの領土が広がった。ハワイ、フィリピン、プエルトリコ、グアムを支配下に置くことにつながったからである。「関税主義者( tariff man )」を自称し帝国主義者になろうとするトランプが、マッキンリーをお手本にしたのは驚くべきことではない。しかし、マッキンリーの通商政策を詳しく調べると、20 カ月後に中間選挙を控えるトランプ支持で凝り固まった共和党議員団にとって、意外な事実があり、決して楽観できない状況であることがわかる。トランプはマッキンリーの関税政策を単純化して真似しているわけだが、マッキンリーの事例から得られる貴重な教訓を無視してしまっている。