本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版にのみ掲載のJoshua Rothmanによる記事です。タイトルは、”How Should We Think About Our Different Styles of Thinking?”(人によって頭の中で思考するスタイルは異なる?)となっています。
本日翻訳する記事は、1月9日(月)に投稿されたもので、人間が頭の中で思考する際のスタイルについての記事でした。脳の研究は、いろいろと進んでいるようです。ただ、その研究が本当に正しいのかと言われると、必ずしもそうではないようです。
この研究が本当に正しいか否かというのを棚に上げて記すと、人間には思考する際に、頭の中で言語的に考える人(バーバルシンカー:verbal thinker)と、絵や写真等の映像を頭の中に思い浮かべて考える人(ビジュアルシンカー:visual thinker)がいるそうです。で、ビジュアルシンカーは、さらに細分化することもできるようです。また、1人の人間でも、時としてバーバルシンカーになったり、ビジュアルシンカーになったり、その中間のスタイルで思考したりする場合もあるようです。
しかしながら、この思考の際のスタイルを調べる研究は眉唾物です。というのは、この研究では膨大な調査を行ったのですが、沢山の被験者にビープ音が鳴る装置を渡して、被験者からそれが鳴る直前の頭の中に思い浮かんでいたものを聞き取るというものでした。被験者が嘘をつくとは言いませんが、人間が自分の頭の中を正確に描写できるとは思えませんので、この研究への信頼度は決して高くないのです。
この記事の中にも出てくるのですが、人間は夢を見る時に、白黒かカラーかどちらで見ているかという話があります。昔は、ほとんどの人が白黒と答えていました。しかし、カラー写真が普及するにつれて、カラーと答える人がほとんどになったのです。白黒写真しかない時には、人々は鮮明な画像(写真)というのは白黒だというイメージを持っていたから、白黒で夢を見ていると答えたのだと考えられます。このように、人間が自分の思考(頭の中)を分析するのはとても難しいのです。
先日の量子コンピュータの記事で、量子は人間が認識した時にのみ位相が変わると記されていました。人間の頭の中も似た部分があって、脳の中を調べようとした時点で、もうそれは普段の脳の中と異なってしまうので、調査などできないのかもしれません。私がこの記事を読んで思ったのは、脳の働きの解明はほとんど進んでいないなということです。そもそも、まだ始まってもいないレベルだと思いました。
では、詳細は和訳全文をご覧ください。以下に和訳全文を掲載します。