本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の January 1 & 8, 2024, issue に掲載の記事で、タイトルは、”How the “No Kill” Movement Betrays Its Name“(ノーキル運動が猫の殺処分を認めている矛盾)となっています。
Jonathan Franzen による記事です。Franzen は小説を何冊も出しています(全て未邦訳)。New Yorker 誌にコラムやエッセイや記事をしばしば寄稿しています。この記事のスニペットは、” By keeping cats outdoors, trap-neuter-release policies have troubling consequences for city residents, local wildlife—and even the cats themselves.”(猫を屋外で飼い続けるかぎり、TNR(捕まえる、去勢する、元の場所に戻す)活動は都市に住む住民や生息する野生生物に憂慮すべき結果をもたらす。猫にも憂慮すべき結果をもたらす)となっていました。
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一口コメント
ロサンゼルスは、野良猫が増えて困っています。野良猫対策として、市やボランティアが TNR 活動に勤しんでいます( TNR 活動とは、野良猫を捕まえて、不妊去勢手術を施して、元の場所に戻す活動)。しかし、ベストフレンズ動物協会という団体が提唱するノーキル( No Kill )運動が勢いを得て、一時期 TNR 活動ができなくなりました。
野良猫を減らすためには、ノーキル運動を推進すべきなのか(主として野良猫を保護し、里親に引き渡すことで野良猫を減らす)、TNR 活動を地道に続けて猫を減らすべきなのか?いやいや、猫の繁殖力は凄いわけで、いずれにしても野良猫の数を減らせるわけないような気がします。もっというと、野良猫を減らすのが良いことなのか?別に野良猫がいても問題のではないかと思う人もいるわけです。また、野良猫に関して何の対策もしなくても、その地域が維持できる最大数まで野良猫が増えれば、それ以上は増えないはずです。そう、野良猫の問題が難しいのは、どうすべきなのかということが定まっていないことにあるのです。
要約
- ロサンゼルスで野良猫を減らすべく地道に続けられている TNR 活動
2 人の女性(ラフとクロー)の活動に密着。膨大な野良猫の数を考慮すると、もはや焼け石に水。 - ノーキル( No Kill )運動の隆盛
ベストフレンズ動物協会は、殺処分数を減らす運動を展開。「殺処分しない」という標語は猫愛好家に好評で勢いを得ている。その影響で、一時期ロサンゼルスでは TNR 活動が出来なかった。 - 野良猫を減らす必要はないと思う人も多い。曰く、何が問題なの?
野良猫が街中を闊歩していても問題ないと考える者も少なくない。そうした人たちは、野良猫にせっせと餌をやり続ける。 - 野良猫が及ぼす影響の考察
野良猫は多くの野鳥を殺している。また、野良猫は街中にコヨーテをおびき寄せてしまう。また、寄生虫や感染症を媒介する。 - ベストフレンズ動物協会とは何ぞや?
動物愛護団体って、怪しくない?一応、表向きは筋は通った団体のようだが・・・ - 野良猫にどう対処するかという問題の複雑さ
そもそもどうすべきなのかが定まっていない。野良猫を減らすべきと決めたとしても、実際には減らす有効な手立ては確立サれていない。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧下さい。