How the U.S. Economy Defied Omicron to Add Nearly Half a Million Jobs
底堅い米国経済!オミクロン株感染拡大下でも、1月の新規雇用者数は50万人!
More people worked from home, but employers kept hiring, giving the Biden Administration an unexpected political lift.
より多くの人がリモートワークをしていたが、引き続き企業の雇用意欲は旺盛であった。バイデン政権にとっては予想外の追い風となった。
By John Cassidy February 4, 2022
オミクロン株の感染者数がなかなか減らない状況下でも、米国の1月のNFP(非農業部門雇用者数)は、市場予想をはるかに上回る50万人弱の増加となりました。また、平均賃金も急上昇を続けていることが金曜日(2月4日)の労働省の発表で明らかになりました。1月の雇用統計の数字が予想以上に強かったことで、米国経済が力強く拡大している傾向が2022年になっても続いていることが確認できました。このことは、支持率低迷に喘いでいるバイデン政権にとっては予想外の福音となりました。
年明けにオミクロン株感染者数が急増したため、ウォール街のエコノミストの多くが、1月の雇用統計の数値が低調になる可能性があると警告していました。木曜日(2月3日)、ゴールドマン・サックスは、1月の雇用者数はマイナス25万人に落ち込むだろうとの予想を発表していました。バイデン政権の経済チームは、月曜日(1月31日)に、1月はオミクロン株感染者数が激増していたので、雇用統計は弱い数値となる可能性があると言及していました。悪い数値が発表された際のショックを軽減することが目的だったのでしょう。しかし、その心配は杞憂に終わりました。労働省が毎月発表している雇用者数は、46万7千人増加と堅調な伸びを示しました。新規雇用のほとんどは、パンデミックの影響を最も強く受けたサービス業で創出されたものでした。娯楽・ホスピタリティーの分野で15万1千人、小売業で6万1千人も雇用者数が増加しました。
なぜオミクロン株感染者が急増していたのに、労働市場は大きな打撃を受けなかったのでしょうか?雇用統計を見ただけでは、その理由は分かりません。労働省が発表した資料の後ろの方に記載のある月例家計調査を詳細に見てみると、いくつかのヒントが隠されているようです。今年1月、新型コロナのためにリモート・ワークをしたと答えた人の数は、新型コロナのパンデミックが始まった頃の数カ月以降で、最大の増加数を記録しました。新型コロナのために職を失ったと答えた人も増えたのですが、その増加幅はそれほど大きくなかったのです。そうした数字は、オミクロン株の感染拡大は深刻な影響を及ぼしていて多くの人たちが家に閉じ籠ったことを示すものです。しかしながら、一時解雇が大量に行われるほどには深刻ではなかったことも示しています。米国経済は、新型コロナへの対処に慣れてきており、足腰が非常に強くなったと言えます。
一部の観測筋は、1月の雇用統計の数値が非常に強かったことを受けて、米国経済は既に新型コロナウイルスを打ち負かしたと主張しています。バラク・オバマ政権で経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたジェイソン・ファーマンは、ツイッターで「2022年1月は、新型コロナウイルスが打ち負かされた月として人々に記憶されるだろう。そのウイルスは未曽有の大混乱をもたらし、大量の死者を生み出した。しかし、米国経済はもはや何の影響も受けていない。」とつぶやきました。1月の数値が良かっただけで、そのような判断をすることは非常に危険なような気がしないでもありません。家計調査の数値を見ると、総雇用数は減少していました。また、国勢調査局が総人口を修正していなければ失業率も0.1ポイント悪化して4.0%になっていたのです。
雇用統計が予想をはるかに上回る強い数値だったことで、ここのところ続いていた景気回復の足取りが続いていることを確認できました。米国経済は力強い回復を続けており、雇用も消費も賃金も物価も全てが急速に上昇しているのです。
雇用統計は月ごとに大きく変動する傾向があるため、実態を正確に把握するためには複数月の平均値を見る必要があります。 7月から1月までの6ヵ月間で、米国では320万人の雇用が創出されました。これは、非常に良い数値です。労働市場の強さを測るのに最も相応しい指標である労働参加率も58.4%から59.7%に上昇しました。特に、労働力として復帰する人が増えていることを示す労働参加率が高いことは、米国経済にとって心強いことです。新型コロナに関する最大の懸念は、それが労働市場に恒久的な傷をつけ、無数の労働者を取り返しのつかない形で漂流させ、米国経済の潜在的生産能力を低下させることでした。しかし、現時点では、新型コロナパンデミックが始まった頃の状況に完全には戻っていないのです。とはいえ、大きく劣っているわけではなく、雇用者総数はパンデミック前より290万人少ないだけですし、労働参加率も1.5%ポイント低いだけです。
ジョー・バイデンが就任したとき、雇用不足は990万人で、対人口比率の雇用不足は3.6%でした。それから1年間で大きな進歩があったことが示されたので、バイデン政権は1月の雇用統計の数字にはとても満足していました。経済諮問委員会がブログの投稿でつぶやいたのは、過去3か月間で1月当たり雇用者数が541,000人増加しており、過去12か月間で平均時給が5.7%増加したということでした。また、経済諮問委員会は、プライムエイジ労働者(25歳から54歳の労働者)の労働参加率(仕事をしている、または積極的に仕事を探している人の割合)も直近で急上昇していることも強調しました。過去1年間で見ると着実に増加しています。
これは、労働省が追跡している最も広範な失業率の指標であるU6レートが急激に低下したことと同様、経済が長期的に回復していることを示しています。U6失業率を求める際の分母には、経済的な理由でパートタイムで働いている人や、労働市場にほとんど関与していない人、つまり仕事をしたいが過去4週間に積極的に求職活動をしていない人が含まれています。このような人々を含めることで、U6失業率は公式の失業率(U3失業率:失業者巣を労働力人口で除して算出される)よりも、失業と不完全雇用の両方がもたらす人的影響をより如実に示していると言えます。パンデミックの最初の数カ月間、2020年の2月から4月にかけて、U6失業率は7.0%から22.9%へとかつて無いレベルの急騰を見せました。2020年後半になってパンデミックによる操業停止が緩和されると、U6失業率は低下しましたが、今から1年前の2021年1月時点は11.1%でした。その後、徐々にそれが下がって、先月は7.1%まで下がりました。事実上、パンデミックが始まる前の状態にほとんど戻ったと言えます。これはとても凄いことです。
以上
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