本日翻訳して紹介するのは、Web版にのみ掲載のKeith Gessenによる寄稿です。タイトルは”How the War in Ukraine Might End”(ウクライナ戦争はどのような形で終わるのか)です。Gessenはモスクワ生まれでボストン郊外に住んでいて、ロシアや政治に関する寄稿が多いです。
このコラムでは、ウクライナ戦争がどのくらい続くかということが書かれていました。早く終わってほしいと思うのですが、なかなか簡単には終わらなさそうです。
戦争終結論を研究している者が少なからずいます。戦争がどういった形で、どういった経緯で終結するかを、史実を元に分析して、それで得られる知見を元に、現在起こっている戦争の行く末を予測います。
戦争には、あっという間に終わる戦争とダラダラと長く続く戦争があります。一般的に、戦争がなかなか終結せず長く続く際には、3つの要因があります。それは次の3つです。
- 情報の非対称性
相手と自国の戦力を読み誤って、勝てると勘違いしてしまうこと。勝てると思い込んでいるわけだから、停戦合意を締結しようと考えることはなく戦い続ける道を選びます。プーチンはウクライナ東部で自軍が崩壊しつつあるのに、まだ勝てそうに無いことを認識していないようです。独裁者なので、都合の悪い情報が得られず正しい判断ができていないようです。 - 信頼できるコミットメントが無い問題
相手国を信用できないということ。停戦合意を結んでも相手国が守りそうにないと確信している場合、合意はなされません。ゼレンスキーもプーチンも相手を全く信用していませんので、戦い続けるしかないのです。 - 国内政治
どんな独裁色の強い指導者でも国内政治の影響を受けます。第一次大戦時のドイツのウィルヘルム2世は、敗色濃厚と認識していたのに戦い続けました。負けを認めて戦争を終結させてしまうと体制が崩壊する、あるいは革命が起きる可能性があったからです。時として、負けると分かっていても戦い続けるしか無い場合があるのです。今のロシアもこれに近いのかもしれません。ちなみに、その時のドイツは4年間戦い続けましたが敗れました。そして、ウイルヘルム2世が予測した通りの結果になりました。
残念ながら、ウクライナ戦争では上の3要件が出揃っています。ですので、ダラダラと両国が戦争を続ける可能性が高いのかもしれません。
では、詳細は和訳全文をご覧ください。以下に和訳全文を掲載します。