本日翻訳し紹介するのは The New Yorker のNovember 18, 2024 issueに掲載された Jelani Cobb のコラムで、タイトルは” 2016 and 2024 “( 2016 年と 2024 年の違い)です。
Jelani Cobb はスタッフライターです。アメリカの政治について書くことが多いです。著書も数冊あり、ジャーナリストとして受賞歴も多いようです。スニペットは、” We will be a fundamentally different country by the end of the next Administration. Indeed, we already are.”(次期トランプ政権が終わる頃には、アメリカは根本的に別の国になっているだろう。実際、すでに以前とはまったく異なった国になっている)となっていました。
さて、トランプが大統領選でリベンジを果たしました。来年の 1 月に再び大統領に就任します。大統領 1 期目の 4 年間は言うほどの混乱は無かった、だから、2 期目の 4 年間もさほど問題無いだろうというのが多くの人の見方のようです。しかし、Cobb の見立ては違うようです。
では、8 年前と何が変わったのか。まず、トランプは 2020 年の大統領選に負けたので、雌伏の時を経て謙虚な人物になった上に勉強して政策通になっているかもしれません。が、ご覧のとおり、まったくそんなことはありません。逆に、まったく学ばず、ますます謙虚ではなくなっています。彼は復讐心が強い人物ですので、これまでに自分に刃向かった者等は許しません。それは、ニッキー・ヘイリーやマイク・ポンペオを新政権に起用しないと表明していることからも明らかです。だから、第 2 次政権はイエスマンで固められます。つまり、次のトランプ政権には、彼を諫めるたり、バランスをとろうとする者は誰もいないのです。
大統領に求められるスキルはオーケストラの指揮者のような卓越した統率力です。優秀な奏者を選び、個々の奏者の能力を引き出し全体として最高のパフォーマンスを発揮できるようにする。そんなスキルがトランプに無いのは明らかで、そこも Cobb は懸念しています。いや、でも私は懸念しなくても問題無いとおもったりします。他の大統領や他国の指導者でもそんなスキル持っている者はいないじゃないですか。
また、Cobb は時代が巻き戻ってしまったと嘆いています。そこは嘆くことではありません。トランプのような人物が権力を握るなんてことはちっとも珍しいことではないのです。むしろ、これまで無能だがまともな人物が大統領であったことを喜ぶべきなのです。歴史が常に良い方向に向かっているという認識が誤っています。歴史は行きつ戻りつするものです。未来が良いものになると信じたいのは私も同じですが、容易な道ではないのです。ドイツ人がヒトラーを選んだのは珍しいことではないのです。そんなことはそこらじゅうで起きてきたことですし、今後も何度も起こることです。超長期間のスパンで見て、僅かでも右肩上がりになっていれば喜ぶべきことなのです(株価も同じ!!)。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。
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