ラリー・サマーズは天才?昨年始めの時点でインフレに陥る危険性を指摘していたのは彼だけ!でも、違うんです!

 本日翻訳して紹介するのは、The New Yorker のWeb版にのみ掲載の4月8日投稿のコラムで、タイトルは、”Is Larry Summers Really Right About Inflation and Biden?”(ラリー・サマーズはインフレ懸念を表明し続けている。彼の主張は正しいのか?)です。

 John Cassidyよる記事です。氏はスタッフライターで、たくさん記事を書いています。スニペットは、”The Harvard economist is getting plaudits for the warnings he issued early last year, but some Administration officials and economists are questioning the basis of his arguments.”(ハーバード大学のエコノミストは、昨年初めに警告を発したことに対して賞賛を集めているが、一部の行政当局者やエコノミストは彼の主張の根拠に疑問を投げかけている。)となっています。

 さて、このコラムは、ラリー・サマーズに関してのものです。彼は、昨年の始めからインフレに陥る危険性があるから政策金利を上げろという主張をしていました。当時は、そうした主張をする者はほとんどいませんでした。ですので、インフレが手に負えない状況になりつつある今、彼を評価する人がかなりいるようです。

 しかし、このコラムの主旨は、ラリー・サマーズの言っていることは眉唾物だというものです。実は、ラリーサマーズは、インフレに陥るという予測をしていたのですが、それ以外の予測も出していたのです。ですので、どういう状況になっても、出していた予測の内の1つは当たったと言える状況だったのです。そのことを指摘するエコノミストを何人かいるので、ラリー・サマーズはインフレになることを言い当てたと主張しているものの、それほど名声は高まっていないようです。また、ラリー・サマーズは、バイデン政権の景気刺激策の批判しているのですが、インフレに陥ったメカニズムの説明や、どうすべきかといった提案が欠落していることも批判されているようです。

 さて、一昨日に米国では3月の消費者物価指数の発表があり、ほぼほぼ市場予想通りでインフレが進行していることが明らかになっています。私が思うに、ウクライナの戦闘状態が長引きそうですからインフレは長く続きそうな気がします。戦後、インフレが長く続いたのは、1970年代のインフレのときだけで、他は直ぐに収束したようです。今回は長引きそうな気がします・・・。1970年代には、ボルカー・ショックというのがありました。同様なことが起きそうな状況です・・・。

 では、詳細は和訳全文をお読みください。