米国陸軍元大佐がロシア軍の無能ぶりを滅多斬り!ロシア軍は張り子の虎なの?いや、それは張り子の虎に失礼やで!

Q.10

Q.ロシア軍の侵攻は様相が変わりつつあるように見えます。ロシア軍は、ウクライナ東部に重点を置くようになりました。侵攻当初とは異なって、より計画的なアプローチを取り始めたようです。ロシア軍は何を変えたのでしょうか?変えたことによって、ロシア軍の侵攻は上手くいくのでしょうか?

A.ロシア軍の損失は天文学的な数字です。ロシア軍の部隊は、各地で壊滅的な打撃を受けています。ロジスティクスは貧弱なままで、指揮命令系統も十分には機能しておらず、兵員の訓練も不十分で士気も高くありません。ウクライナへの侵攻を始めてから6週間、北部で不細工な敗北を喫し続けた部隊の能力が、突如として改善するでしょうか?あるいは、期待通りの成果を挙げるでしょうか?私は、そんなことは起こり得ないと思います。ウクライナ東部や南東部に移ったからと言って、部隊の能力が上がるわけではないのです。

 私は、特別な情報は持っていません。が、誰が見ても明らかだと思いますが、ロシア軍はドンバスと黒海沿岸だけに戦力を集中すべく軍事作戦を縮小しています。しかし、ドンバス等に投入される戦力は、北部戦線から撤収してきた部隊で構成されています。北部戦線で戦果を挙げなかった部隊が、急に戦果を挙げるようにはならないでしょう。だから、ロシア軍は今後も苦戦すると予想します。また、ロシア軍には制度的な欠陥もあります。ロシア軍は侵攻軍を編成するに当たり、約19万人の兵員を集めました。ロシア全土から侵攻軍に必要な兵員や装備類を集めることは非常に困難を極めます。侵攻軍を編成するために、ロシア中から、部隊、兵員、装備類、弾薬などを移動させなければならなかったはずです。では、ロシア軍の兵力に余力はどのくらいあるのでしょうか?おそらく、ほとんど無いはずです。ロシア軍は、このような状況を長く維持することはできないと思います。ロシア軍は、ウクライナの北部戦線で大打撃を被った部隊の残存兵で部隊を再編成して、ベラルーシを抜けてドンバス等に移動させています。そうした部隊が、突如として効果的に機能し始めるようなことはあり得ないでしょう。