本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版に2月28日に掲載された John Cassidy よるコラムです。タイトルは、”It’s O.K. to Be Confused About This Economy”(現在の経済状況について理解できないあなたは全く問題ない)となっています。
本日翻訳したコラムは、アメリカ経済についてのものです。スニペットは、”Even the experts don’t really know where inflation and jobs are headed.”(専門家でさえ、インフレと雇用がどこに向かっているのか本当に分かっていません。)となっていました。
さて、アメリカ経済はインフレが収束しかているように見えたのですが、雇用が意外と言えるほど強く(コストプッシュ要因になりうる)、やっぱり直ぐには収束しなさそうな雰囲気も漂ってきました。エコノミストの間でも、インフレ率がFRBの目標とする2%に下がるのがいつ頃になるか意見が分かれるようです。
雇用が強いわけですが、これが続くのか、もうすぐ弱くなるのかも意見が分かれているようです。アメリカ経済がハードランディングすると予測しているエコノミストもいますが、ソフトランディングすると予測するエコノミストもノーランディングすると予測するエコノミストもいます。要は、今後のアメリカ経済の推移を、誰も予測できないのです。
なぜ、誰も予測できないのでしょうか?それは、現在のアメリカ経済は、過去の経験則を生かして分析したり予測したりすることが不可能な状態だからです。現在のアメリカ経済は特殊な環境下にあります。インフレ率が非常に高いわけですが、3つの要因が重なった結果です。3つとも特殊なもので、いずれも影響がどのくらい続くのか読めません。ちなみに3つとは、新型コロナとウクライナ戦争と過去にない急激な金利引上げです。
アメリカ経済について予測をすることが不可能であることを前提にすると、現時点で言えることは2つです。1つは、正確に予測できるなんて言うエコノミストがいたら、そういう人物は信じないことです。もう1つは、FRBはインフレ率が高くなったら、さらに金利(FRBが実際に操作できるのはFFレートのみであるが)を上げるべきだということです。中央銀行の責務は世界共通で、物価の安定です(FRBは、他国の中央銀行と異なり、雇用の最大化という責務も負っているが)。余計なことは考えず、その責務にのみ邁進して欲しいものです。ジェローム・パウエル議長は、株式市場を苛めることになってもそれをやり切ると思います。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。
- 1
- 2