本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のWeb版にのみ掲載のコラムで、アメリカの景気に関するものです。米国ではワクチン接種が進んでいるものの、デルタ変異株の出現などで感染者数は8月には大きく増えました。その影響なのか、9月3日発表の8月の雇用統計は最悪の数字でした。景気の先行きは暗いのでしょうか?
John Cassidyによって9月4日に投稿されたコラムです。タイトルは、”It’s Still the Coronavirus Economy”( 新型コロナの景気への影響はまだまだ続く?)です。サブタイトルは、”A disappointing jobs report shows that mass vaccination hasn’t yet broken the link between the pandemic and our economic fortunes.”(雇用統計は予想外の悪さでした。ワクチン接種が進んでいますが、まだまだ景気は新型コロナの影響から完全には脱していない ?)です。 John Cassidyは非常にたくさんコラムを投稿しています。とても投稿頻度が高いです。投稿の頻度は彼かEvan Osnos が一番高いのではないでしょうか?2人ともいつも興味深いコラムを書いてくれます。出来るだけ訳していきたいと思います。
さて、 このコラムでは、新型コロナは景気に悪影響を及ぼしているがいつまで続くのかということが記されていると思ったのですが、そういう将来の見通しは書かれていませんでした。論旨は、次のとおりだったと思いす。
- ワクチン接種が進んで感染者数が漸減していた。
- しかし、デルタ変異株が猛威を振るい8月には感染者が急増した。
- それでも、ほぼほぼ制限は撤廃されているので景気への悪影響はそんなに無いと予想していた。
- しかし、9月3日発表の8月の雇用統計(no farm payrol:非農業部門雇用者数)は市場コンセンサスを大きく下回った。
- 景気は恐ろしく弱っているとして、一部のエコノミストは悲観論者となっている。
- しかし、エコノミストの大多数は楽観的である。実際、米国は既に経済がパンデミック前の状況まで回復している数少ない国の1つである。
さて、非農業部門雇用者数というのは、ウォールストリートが最も注目している数字の1つです。理由は、どの指標よりも早く発表されるからです。前月の実績が、毎月3日か4日には出ます。しかし、この数字は月度ごとのブレがとても大きいのです。ですから、3カ月の平均とかで数字を分析しないといけないのです。しかし、9月3日発表の数字は市場コンセンサスを大きく割り込んだので、反応して株式市場も影響を受けました。ただ、短期的な調整だと思います。曜日回りも悪かったです。5日がレイバーデイでバンクホリデイで米国の市場は休み(三連休)というのもありました。全く根拠はありませんが、米景気は9月以降は雇用者が増える(失業給付の割増が無くなるため)ので景気はしばらく回復が続くのではないでしょうか。21年後半で株価に影響を与えるとしたらFRBがテーパリングする時期が市場の予想と差がある場合くらいですかね。 上手く舵取りして欲しいと思います。
では、以下に和訳全文を掲載します。
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