トランプだから勝ったわけじゃない!!たぶん、誰でも勝てた⁉ 先進国の政権政党が直近の選挙で全敗!!

 本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 11 月 11 日に投稿された John Cassidy のコラムでタイトルは、” Donald Trump’s Victory and the Politics of Inflation “(ドナルド・トランプの勝利はインフレの賜物)です。

 John Cassidy は、スタッフライターです。多数の著作もあります。経済関連の記事をたくさん書いています。モノゴトを斬る視点が斬新です。私が一番好きなライターです。スニペットは、”Joe Biden’s strong record on jobs and Kamala Harris’s vow to reduce the cost of living couldn’t prevent the Democrats from succumbing to a global anti-incumbency wave.”(ジョー・バイデンの雇用創出実績もカマラ・ハリスの生活費削減公約も、民主党が世界規模の政権政党批判の嵐に屈するのを防ぐことはできなかった。)となっていました。

 さて、またしても大統領選の結果に関するコラムです。The New Yorker のホームページを見てもそれに関する記事が多いです。紙の誌面ではそうでもないですが、 web を見に行くとそれに関するものがほとんどです。Today’s Mix というポータルに表示される部分には、4つに記事があるのですが、いずれもトランプ関連でした。それぞれのタイトルは、” Pete Hegseth’s Path from Campus Provocateur to “Fox & Friends” to the Pentagon ”、” How Elon Musk Rebranded Trump ”、” Republican Victory and the Ambience of Information ”、” The Election Was About the Issues After All ”でした。順に、司会者から国務長官になるピート・ヘグセス、車屋から新設の政府効率化省のトップになるイーロン・マスク、今回翻訳したコラム、選挙の争点に関するコラムでした。

 本日翻訳したコラムの主旨は、ハリスと民主党が負けたのはインフレが理由であり、どうやっても勝利することはできなかったであろうというものです。その推測を裏付けるものもたくさんあるようです。歴史的に見て、インフレ下で行われたアメリカの大統領選では現職もしくは政権政党候補がほぼ全敗です。また、2024 年に国政選挙があった先進国では、すべて政権政党が負けているのです(日本の場合は、インフレでなくても自民党が負けていたと推測するが・・・)。

 たしかにそうなのでしょう。しかし私が思うのは、そんなことは選挙が始まる前に言ってくれということです。選挙前にこうした指摘をして、その通りにトランプが勝利していたなら、その指摘をした者を凄いと思います。でも、私が知るかぎり選挙前にそのような指摘をしていた者はいません。冷静に考えると優秀で高給取りのエコノミストならそれくらい予測できただろうと思わなくもありません。でも 1 人もいなかったわけです。大統領選の熱狂の最中では、プロのエコノミストでも理性的な分析ができなかった、事後になって初めてそれなりの分析ができたということなのでしょう。

 私見ですが、今回の大統領選では事前予想が大きく外れました。接戦が予測されていました。でも結果はほぼワンサイドゲームでした。前回、前々回の選挙の予測でもトランプ支持が過少に見積もられていました。だから、今回の予測ではその反省を生かしてより正確な予想がなされると推測されていました。何で予測が外れたのかということは分析して明らかにして欲しいものです。が、たぶんされないでしょう。というのは、そもそも世論調査( exit poll )なんていうのは当たる場合もあれば、当たらない場合もある。運みたいなものなのです。本質的に誤差を含んでいるのです。サンプル数の問題ではありません。お金をかけて全有権者を対象に調査しても精度が上がるわけでもないのです。選挙予測を見る際にはそこを認識して見るようにしたいと思います。

 話がそれましたが、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。