本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のMay 10, 2021 Issueに掲載の記事です。題名は”Persuading the Body to Regenerate Its Limbs” (鹿は枝角を再生することができ、人間は肝臓を再生することができます。他の部位の再生は可能でしょうか?)です。
今日はちょっと古くて3カ月ほど前に掲載されていた記事を訳しました。Matthew Hutson氏による記事です。氏は、サイエンス誌、ネーチャー誌、ワイヤード誌、ウォールストリート誌等にさまざまな記事を寄稿しています。サイエンス関係の記事が秀逸で、特に人工知能に関する記事が面白いです。経歴を拝見すると、フェルミ研究所での勤務経験もあるようです。また、アメリカでは”Magical Thinking”という本を出していて結構有名なようです。その本は、邦訳されて「なぜ、これを「信じる」とうまくいくのか」という題で日本でも販売されました。
内容は四肢の再生の研究に関するものでした。四肢の一部が欠損した場合に、あるいは生まれつき無い場合に、四肢を再生(形成)させる研究が進んでいます。読んで私が思ったのは、細胞がどのような形に形成するか、どのような指示系統に従って形成されるのかということについて、研究か結構進んでいるのだと思いました。文中では、その指示系統を使ってカエルの腹部に眼を形成させて、しかもそれには視神経が付随していて視力があるという実験が紹介されていました。驚きです。その技術が洗練されれば、生物の好きな部位に好きなパーツを出現させることが出来るわけですから。しかしながら、研究が進んでいるとはいえ、カエルではなく人間の四肢を再生させるとなるとまだまだ時間がかかるのだろうと思いました。そうした日が一刻も早く訪れることを祈ります。また、日夜研究に没頭されている天才科学者たちには頭が下がります。
では、以下に和訳全文を掲載します。