本日翻訳して紹介するのは、the New Yorker のOctober 16, 2023に掲載の Ian Urbina の記事です。タイトルは、”THE CRIMES BEHIND THE SEAFOOD YOU EAT“(いつも口にしているシーフードの背後の違法行為)です。
Ian Urbina の記事を訳すのは初めてです。the New Yorker に記事が掲載されるのもそんなに多くありません。
ところで、訳して分かったのですが、この記事は取材に数年をかけています。また調査船でチリ沖、日本海等にも赴いており、費用も無茶苦茶かかっています。こうした報道には本当に頭が下がります。
さて、今回翻訳した記事は、中国の遠洋漁船の不法行為に関するものでした。中国の漁船では、恐ろしいことに不法行為が蔓延しています。しかし、中国政府は取り締まるつもりがさらさらないようです。
中国の考え方は一貫しています。そもそも世界の海はとても広く、公海上には海上パトロールしている警備艇はほとんど存在していません。日本の海上保安庁の船がインド洋や大西洋に行くことはありませんし、太平洋上でも日本の領海しかチェックしていません。他の国も同様です。中国漁船は、それをいいことに公海上で違法な操業を続けています。定められた漁獲量を守らず、禁止されている漁法を使い、世界中のサンゴ礁を底引き網で平らにしてくれています。
中国政府は、中国船籍の船が違法でも何でもそこら中の海域に存在し続けさせることで、既得権益を主張できると考えているようです。そんな馬鹿なと思うなかれ。中国政府は、本当にそう考えています。どんな精神構造をしているのか分からないのですが、南沙諸島、台湾近海等を見れば明らかなように、それを実践しているわけです。
中国人はコロンブスが大航海に出る100年前には、世界の海を中国が支配していた時期があったと考えており、その栄光を取り戻したいの考えているのかもしれません。どんな国も過去の栄光を取り戻そうとするものなのかもしれません。ついつい、良い時代のことを思い出すのかもしれません。いや、でも、どこの国もが過去の栄光の時代を思い浮かべて、その時の領土や領海を取り戻すべく行動したらどうなるでしょうか。イタリアがローマ帝国の栄光を取り返すと言い出し、トルコが偉大なオスマン帝国の栄光を取り戻す、イギリスが日の沈まない国に再びなると言い出したら・・・。過去の栄光を思い浮かべるのも良いのですが、同じくらい過去の屈辱のことも思い出すべきです。中国は、歴史上、何度も他民族に屈服した経験があります。今は独立を維持できていて何も問題無いと考えたら良いのではないでしょうか。私は、そういうとこだぞ、と言いたい。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。