本日翻訳して紹介するのは、Web版にのみ掲載のJohn Cassidyによるコラムです。タイトルは、”The Huge Economic Challenge Facing Liz Truss”(リズ・トラスが直面する巨大な経済的課題)です。John Cassidyはスタッフ・ライターです。ロンド駐在員ではありません。
スニペットは、”As energy prices soar and living standards plummet, the new British Prime Minister is planning a vast bailout of households and businesses.”(エネルギー価格が高騰し、生活水準が急落する中、英国の新首相は、家計と企業に対する大規模な救済策を計画しています。)となっています。
イギリスで、保守党党首選が行われて、リズ・トラスが勝ちました。さて、新首相となった彼女はイギリスが直面している経済的苦境を打破することはできるのでしょうか?Cassidys氏のコラムを読んだ限りでは、なかなか難しいのでは?と思ってしまいます。
何で難しいのかと言うと、まず、現在のイギリスが直面している苦境は非常に大きいということです。つまり、トラスの能力の問題ではなく、誰が首相をやっても無理でしょ?ということです。既にEUを脱退してしまっていることも悪手のようです。
まあ、でもトラスにとっては、やらなければならないことが明確になっているのが救いでは無いでしょうか。こんな状況ですので、エネルギー価格を上げないことに資金を投じるのは当然です。就任後に直ぐにそれをすると表明しています。しかし、それをやるとすごく資金が必要で、財政の悪化に繋がります。それが嫌気されてポンド安になりつつあります。そうすれば、輸入価格は上がる形になるので、エネルギー価格の上昇要因になってしまいます・・・
トラスは、着実にできることを積み上げていって、事態が好転するのを待つしかありません。同じような島国で就任後1年間ほぼ何もしない首相がいて、何もしないのに支持率が上がっていたのは参考にスべきではありません。現在のインフレが、サプライチェーンの問題とウクライナ戦争によるとことが大きいわけです。決して保守党政権の経済運営が悪かったわけではありません。逆に何もし無くても景気が良くなることがあります。景気ってそういうもんです。トラスは、突然、そうした状況になるのを祈るしかありません。そんなことが直近で起こるとは思えないと言う人もいるかもしれません。が、そんなことはありませんよ。新型コロナが流行するとか、ウクライナで戦争が始まるなんて事前に誰も予測できていませんでしたよね?逆に、急に事態が急激に改善することだって無いとは言えないのです。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文を御覧ください。
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