本日翻訳したのはThe New Yorker のApril 25 & May 2, 2022 Issueの記事で、タイトルは”The Renewable-Energy Revolution Will Need Renewable Storage”(再生可能エネルギーの利用拡大には、エネルギー貯蔵設備の開発が必要)です。
Matthew Hutsonによる寄稿記事です。氏はサイエンス&テクノロジー関連の記事をたくさん書いています。スニペットは、”Can gravity, pressure, and other elemental forces save us from becoming a battery-powered civilization?”(重力、圧力などを活用する、バッテリー以外のエネルギー貯蔵方法の研究が進められています。)となっています。
この記事の主旨は、再生可能エネルギーの比率を上げるには、エネルギー貯蔵設備を沢山作る必要があるということでした。風力発電も太陽光発電も発電量は天候に左右されます。ですので、発電量が電力需要を下回る時のために、晴れた時等に余分な電力を貯蔵しておく必要があるのです。
現在使われているエネルギー貯蔵設備というと、揚水式水力発電所があります。世界で貯蔵されている電力の9割は揚水式水力発電所の上部調整池にあるそうです。非常にクリーンではありますが、敵地は限られます。大きい河があり、高低差が有って、貯水池(ダム)を作りやすい地形である等々の条件があるからです。また、大がかりなの設備なので非常に費用がかさみます。米国では、敵地が既に枯渇していることと、環境破壊を引き起こすとして反対されるため、ほとんど新設されていないようです。
というわけで、エネルギー貯蔵設備を沢山作る必要があるわけですが、安価で、安定的で、クリーンで、エネルギー効率が高いエネルギー貯蔵設備は、現状では存在していません。各国でさまざまなエネルギー貯蔵方法の研究が進められており、この記事ではそのいくつかが紹介されています。私が読んだ限りでは、いずれもすぐに実用化されるというレベルには無いように思えました。炭素排出量ゼロの実現は、相当に難しいような気がします。
では、詳細は和訳全文を御覧ください。以下に和訳全文を掲載します。