本日翻訳して紹介するのはthe New Yorker の December 19, 2022 Issue に掲載の記事です。タイトルは、”The World-Changing Race to Develop the Quantum Computer”(世界を変える量子コンピュータの開発競争)となっています。
Stephen Wittによる寄稿記事です。氏は、科学関連の記事を沢山寄稿しています。この記事は、世界で繰り広げられている量子コンピュータの開発競争について記したものです。結論から言いますと、開発競争で現時点で一番進んでいると目されているのはグーグル陣営です。かなりの巨費を投じて子会社のGoogle Quantum AIで開発を進めています。
政府の支援を受けた中国の量子コンピュータの開発もそれなりに進んでいるようです。中国科学技術大学の潘建偉(パン・ジャンウェイ)率いる量子研究グループが独自の量子コンピュータ(九章)にて量子超越性を達成したことをサイエンス誌で発表しました。これが本当だったら、Google Quantum AIの研究チームよりも相当先を行っていることになります。しかし、残念ながら、内容がどうも怪しいと思われているようです。ここのところのコロナ感染者数といい、かの国の発表は全く信用できません。まあ、何でも良いから、国家ぐるみで意図的に嘘をつくのだけは止めて欲しいものです。
さて、この記事を読んでいただければ、量子コンピュータのことはおぼろげながら理解できると思います。量子もつれや重ね合わせ等の用語の理解が難しいかもしれません。量子もつれはquantum Entanglementの訳語です。量子もつれというよりは、量子が絡んでいるというイメージです。重ね合わせはquantum superpositionの訳語です。なかなか理解が難しいのですが、微細な粒子の世界では、身の回りの一般的な物理学の法則や常識が通用しないことを理解して読み進んでいただくしかありません。
では、詳細は和訳全分をご覧ください。以下に和訳全文を掲載します。