Ukraine Dispatch いら立つプーチン!常軌を逸したプーチン!核戦略を持ち出した意図は何か?

 本日翻訳して紹介するのは、The New Yorker のWeb版にのみの掲載のコラムで、タイトルは、”What Does Putin’s Nuclear Sabre Rattling Mean?”(核戦略をちらつかせているプーチンは、何を考えているのか?)です。現地で3月1日(日本3月2日)に投稿されたコラムです。

 Robin Wrightによる寄稿です。彼女は、米国で著名な政治学者です。ロシア関係の記事も沢山書いています。映画「フォレスト・ガンプ」に出ていた女優さんで同じ名前の方がいます。フォレスト・ガンプが結婚した薄幸なジェニーという女性を演じていた女優さんです。全くの別人ですので、あしからず。スニペットは、”The Russian leader’s incendiary references to the bomb have revived fears from a bygone era.”(ロシアの指導者が核戦略をちらつかせたことで、過去のものと思っていた原爆の脅威を再び認識せざるを得なくなりました。)となっています。

 さて、このコラムを書いたRobin Wrightは、プーチンが核戦略云々と発言したのは、焦っているからだと論じています。プーチンは、侵攻する前の想定では、首都キエフ等をもっと素早く制圧できると考えていたのではないかと論じています。たしかに、ロシア軍は思ったよりも苦労しているようです。

 ところで、どうしてロシア軍は苦戦しているのでしょうか?謎です。私見ですが、ロシアはタンクの数で圧倒していますから、飽和攻撃を仕掛けたら容易に首都キエフを陥落できるはずです。ニュースで流れていましたが、アメリカが提供した対戦車ミサイル「ジャベリン」が効果を発揮しているのかもしれません。でも、ウクライナがジャベリンでロシア軍の数両のタンクを破壊しても、ロシア軍がタンクによる飽和攻撃を仕掛けたらひとたまりもないはずです。

 これまでのところ、ロシア軍の戦果が想定していたほど挙がっていないわけですが、原因は不明です。兵員の士気が低いとか、物資が不足しているのではないかという報道もちらほら見かけますが、推測でしかありません。また、タンクを進撃させる前に爆撃機による十分な爆撃を行っていないのも謎です。暖冬で凍土が解けて、地盤が柔らかくなってタンクが立ち往生しているのかもしれません。そうしたことが分かる記事を見つけたら早急に訳して紹介していきたいと思います。

 では、以下に和訳全文を掲載ます。詳細は和訳全文をご覧下さい。