本日翻訳し紹介するのは The New Yorker の Web 版に 11 月 27 日に投稿された Kyle Chayka のコラムでタイトルは、” What Google Off-loading Chrome Would Mean for Users Google “となっています。
タイトルを訳すと、「Google から Chrome が引き離されることはユーザーにとって何を意味するか」となります。Kyle Chayka はスタッフライターで、テクノロジーやインターネットカルチャーなどをカバーしています。スニペットは、” A landmark antitrust ruling could change the Internet’s power balance, but the industry is shifting regardless. “(画期的な反トラスト法の判決はインターネットの勢力バランスを変える可能性がある。しかし、それは判決が無くても変わるものである)となっています。
さて、このコラムは Google がアメリカ司法省より反トラスト法違反の判断を下されていた件に関してのものでした。司法省は Chrome の切り離しを提案しています。まあ、それによって 検索等のサービスで競争が促されてユーザーの利益が増えればよいのですが、どうなんでしょう。
今までは Chrome でどこかのお店を検索すると、何もしなくても Google Map に遷移して、そこまでの行き方が簡単にわかり、そのまま Google のレビューも見ることが出来ました。それがアメリカ司法省の提案したとおり Google から Chrome が切り離されると、おそらく、店を検索した後で場所を調べようとすると、Google Map だけでなく他社の同種のアプリもいくつか表示されて、ユーザーはその中から任意のアプリの選択をしなければならなくなりそうです(既に欧州では今年初めから規制が実施されており、Google は各アプリ間でデータを共有しているが、ユーザーがリンクされたサービスを使う際には追加で同意を求められる形になっている)。
これって無茶苦茶不便ですよね。今のままが良いと思います。言いたくはないですが、規制当局は民間企業のイノベーションを妨げるべきではないと思います。Google の独占状況が消費者に不利益を被らせていれば問題ですが、いや、私は Google に一銭も払ってないですから。ブラウザもワープロソフトもスプレッドシートもプレゼンソフトも AI もオペレーティングソフトもストレージもすべて無料なんですよ。何が問題なんですかね?今後、Google は強硬に反論すると推測されます。とにかく膨大な資金力がありますから、ロビー活動を活発化させるでしょうし、膨大なユーザーに司法省の提案に反対の意思表示をするよう促したりするでしょう。
しかし、どうも Google は現状では Chrome の切り離しは不可避と読んでいるようです。端から形勢は悪いと認識しているようです。何と言っても検索エンジンのマーケットシェアは 90% ですから。Chrome だけを差し出すことで、何とか司法省にそれ以上の措置は勘弁してもらいたいというのが Google の本音のようです。
私なんかは日頃から google に大変お世話になっています。ですから、できれば Google のサービスがシームレスで使える状態が続いて欲しいと願っています。スマホはアンドロイド(アイフォンは高いので シリーズが 2 桁になってから止めた)ですし、寝室で使っているのは Chromebook です。時々思うのですが、基本的に今やどこでもネットに繋がっているわけですから、10 万円以上するパソコンよりも数万円の Chromebook の方が便利だと思うくらいです(ゲームとかする人は別だと思いますが)。Chromebook がパソコンより優れているところは、タッチスクリーンで操作できるところです。いや、歳を取るとマウスやトラックボール使うのも面倒で直接画面触る方が早いんです。たまに、会社で自分のパソコンを操作する時に、家でやっている癖が出てモニターを指で触ったりします。
ところで、Google の支配力は今後も続くのでしょうか。Kyle Chayka は苦しくなるかもしれないと見ているようです。司法省に反トラスト法違反でやり込められないとしても、競争が厳しいからです。特に検索に限ると、AI を活用したもっと別の形になっていく可能性があるようです。今でも検索すると以前とは随分変わったなと思うことがあります。以前は検索結果に示されるのは、関連する web ページ数件でした。リンクが貼ってあり、その web ページのスニペットが表示されていました。最近では、AI の回答が一番上に表示されるようになっています(これがとんでもなく間違っていることが多い)。これだと、web コンテンツ制作者はリンクからのアクセス数を稼ぐことができなくなるので食い扶持がなくなります。そう、AI の出現によって既に検索業界でも地殻変動が起こっているのです。1990 年代に突如として検索の世界にスタートアップ企業が出現してあっという間に巨人となったように、新機軸のテクノロジーを駆使したスタートアップ企業が Google などをあっという間に駆逐する可能性もあります。Google の隆盛がいつまで続くのか?私が死ぬまでは持つだろうと思うわけですが、案外早くポシャるかもしれません。まあ、誰も正確に予想することは不可能でしょう。どこの企業が生き残っても良いわけですが、オペレーションソフトや検索やブラウザに課金しないのは続けて欲しいものです。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をご覧ください。
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