本日翻訳して紹介するのはthe New Yorker の February 6, 2023 Issue に掲載の Louis Menand よる記事で、タイトルは”When Americans Lost Faith in the News”(アメリカで報道機関が信頼を失った時)です。
Louis Menand は政治関係の記事をしばしば寄稿していますが、書評を書いたり、音楽やアートに関する記事も書いています。オノ・ヨーコやウォーホール関する記事もありました。守備範囲が広いですから、2022年の年間のニューヨーカー誌への記事の掲載回数はこの人が一番多かったと思います(あくまで紙の媒体に掲載された回数です。Webを含めるとJohn Cassidyが一番回数が多いです)。スニペットは、”Half a century ago, most of the public said they trusted the news media. Today, most say they don’t. What happened to the power of the press?”(半世紀前、ほとんどの人が報道機関を信頼すると言っていました。現在は違います。報道機関はどう変わったのか?)となっていました。
さて、この記事はアメリカで報道機関に対する信頼度が低くなっていることについて記したものでした。2017年度にはアメリカでは34%しか報道機関を信頼していると答えた者はいなかったようです。日本に比べれば非常に低いようです。非常に面白そうだなと思って訳し始めたのですが、まあ、訳し終えたところで思ったのは、それほどでもなかったかなと言うことです。
端的に言うと、アメリカの報道機関が信頼を失ったのは、決してひどい報道をしているからではないのです。公平・公正な報道をしているのだけれど、例えばトランプ支持者はトランプ寄りの報道をして欲しいわけで、そうした人たちは公平・公正な報道をしている報道機関を信用できないと回答します(彼らは、トランプお抱えのメディアを信頼していると答える)。逆にガチガチの民主党支持者も公平・公正な報道をしている報道機関を信用できないと答えるわけです。だから、アメリカでは公正な報道をしようとすればするほど報道機関の信頼度が下がるという誤謬に陥っています。ですので、右派と左派の分断が無くならない限り、アメリカの報道機関に対する信頼度の数字は上がらないと思います。
では、以下に和訳全文を掲載します。詳細は和訳全文をお読みください(ちょっと難しかったので誤訳が多いかもしれません。DeepLとGoogle翻訳でかなり差が出ました。通常はDeepLの方がしっくり訳出してくれるのですが、今回はそうでもありませんでした)。